このページは、フリーランスのライター/編集者、青山祐輔のブログです。

【最近のお仕事】

日本のアカデミズムは危機にあるのか――ノーベル賞受賞者も警鐘 – Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/feature/766

Make: Japan | 企業内ファブスペースを実現させたメイカーたちが次に目指すもの―リコー新横浜事業所「つくる~む」運営メンバーインタビュー
http://makezine.jp/blog/2017/09/ricoh_tukuroom.html

ハッカソンから生まれたIoTけん玉「電玉」――製造は国内、2018年は海外へ / キーマンズインタビュー – カデーニャ

ハッカソンから生まれたIoTけん玉「電玉」――製造は国内、2018年は海外へ

Make: Japan | 「THETAのために集めた人とガジェット」からすべてが始まった―リコーITソリューションズ「ガジェット研究会」メンバーインタビュー
http://makezine.jp/blog/2017/06/rits_gadget_lab.html

Make: Japan | 「工作室を使いたい」から始まった社内メイカーが博物館の展示品を制作するまで — ローランド株式会社「R-MONO Lab」メンバーインタビュー
http://makezine.jp/blog/2017/05/r-mono-lab.html

【連絡先】
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【お仕事】Make:リコーITソリューションズ「ガジェット研究会」インタビュー


メーカーのなかのメイカーを紹介する連載。第2回は、リコーITソリューションズのガジェット研究会の方々にご登場いただきました。

Make: Japan | 「THETAのために集めた人とガジェット」からすべてが始まった―リコーITソリューションズ「ガジェット研究会」メンバーインタビュー
http://makezine.jp/blog/2017/06/rits_gadget_lab.html

リコーITソリューションズは、ソフトウェア開発専門のリコーの子会社。なのでリコーブランドの製品にもいろいろ関わっています。

そしてリコーと言えばTHETA。THETAと言えばイノベイティブで大ヒットした製品としてだけでなく、その開発経緯の「特別さ」もたびたびニュースになっています。実は、リコーITソリューションズのガジェット研究会も、THETAによって生み出されたメイカーサークルでした。

先だっては親会社のリコーの決算が大きな減益だったため、カメラ事業を手放すのではとの報道がありました。また、ソーシャルでも「保守的で危機感が薄い」といった外聞が流れていました。確かに、全体の従業員が10万人を越える日本の大企業なので、保守的な部分は小さくないでしょう。

しかし、リコーの中の人たちはTHETAのような製品を生み出しただけでなく、ガジェット研究会のようなあいまいなグループの活動を支援したり、「つくる~む」という社内メイカースペースの先駆けであったりと、少しでも何かを変え、新しいものを生みだそうと腐心しています。

【お仕事】 Make:Japanで「メーカーの中のメイカー」連載を始めました


Make:Japanで「メーカーの中のメイカー」にフォーカスした連載を始めました。

Make: Japan | 「工作室を使いたい」から始まった社内メイカーが博物館の展示品を制作するまで — ローランド株式会社「R-MONO Lab」メンバーインタビュー
http://makezine.jp/blog/2017/05/r-mono-lab.html

いろいろ言われている日本の製造事業者ですが、そこに踏みとどまりダイナミズムを生みだそうと奮闘している人達がいます。そのなかでも個人のメイカーとして活動している人々に注目しました。彼らの個人的活動が、所属企業にも良い影響を与えていると思われる例を目にするようになったからです(例えば、ソニーでSAPの立ち上げに関わった田中章愛さんとか)。

以前なら企業側もそうした活動にはあまり良い目をしませんでした。しかし、従来のものづくりが成果を上げられない一方で、メイカー達は自ら新しい技術を学び、アイデアを磨き、新しいものを生み出しています。そこで、メイカー達の活動を後押しして、そのダイナミズムを変革のエネルギーに活かそうと考える企業も出てきました。
そうしたメーカーとメイカーの新しい関係のなかから、今の時代のイノベーション(またはオープンイノベーション)について、考えて行くというのが連載の目的です。

第1回目は電子楽器の雄、ローランドの社内でメイカー活動を行っている方々にお話を聞きましたです。近年、資本の主導権を巡るお家騒動で注目されることが多かったローランドですが、創業者の梯郁太郎さん自身がメイカーであり、そのDNAは確かに引き継がれていました。また、IAMASの小林茂先生もローランドの出身で、社員時代から社内でユニークな活動をされていたとか(いろいろなエピソードが残っているそうです)。

ただし、お話を伺った社員の方々は皆、特別に気負っているわけではなく、単に自分が面白いと思っていることをしているだけで、心底メイカーとしての活動を楽しんでいる様子でした。その辺の緩さも、もしかしたらポイントなのかもしれません。

ちなみに、本連載は5回くらいまでは取材先等もろもろ決まっているのですが、その先がまったくの未定。なので、取材先を絶賛募集中ですので、メイカーという文脈での面白そうな人、企業またはイノベーションの事例をご存じでしたら教えていただければ幸甚です。

すでに始まっているAIプラットフォーム競争のなかでIBM Watsonが目指すもの


とあるメディアのタイアップ企画で書いた文章なんだけど、クライアントからNGとなり全面的にボツとなったので、供養替わりにここで公開。微妙にタイミングを外しているけど、賞味期限が切れるほどではないので。

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Watson日本語版の発表会において日本IBMの与那嶺社長が「Watsonの起源のひとつが日本語処理技術にある」と話したように、IBM Watsonの特徴は「ことば」の処理能力が高いことにある。一方、現在の人工知能ブームのきっかけとなったディープラーニングは、強力な画像認識が特徴だ。IBM Watsonにも画像認識の機能は備わっているが、なぜIBMはWatsonの強みとして「ことば」をアピールするのだろうか。

現在、さまざまな人工知能関連のサービスが登場している。そのひとつが、ディープラーニングと呼ばれる、多層構造のニューラルネットワークを利用した機械学習技術だ。ニューラルネットワークは以前からあった技術だが、近年になってブレイクスルーが起きて飛躍的に進化した。例えば、画像を認識に利用することで、そこに何が映っているのかをコンピュータが正確に判断できるまでになった。

犬にはさまざまな種類があり、体の大きさや色、または年齢によって、その外見が大きく異なる。また、写真によって明るさや向き、大きさなどはバラバラで従来の画像認識技術では、それをすべて「犬」と自動的に判断することは非常に難しかった。しかし、ディープラーニング技術によって、こうした画像認識技術が大幅に発展し、現在ではすでに人間を越えるほどの認識精度を実現している。

発表会においてデモンストレーションを行ったカラフル・ボードのコーディネート支援アプリ「SENSY」も、このディープラーニングを用いて、ファッションアイテムの認識を行っている。そのアイテムが、シャツなのかセーターかTシャツかスカートなのか、人間なら容易に見分けられるが、それと同様の「目」をディープラーニングが行っているのだ。SENSYはさらに、その人工知能にアイテム同士の組み合わせによるコーディネートを認識させようとしており、ディープラーニングはこれまで人にしかできなかった認識だけでなく、コーディネートのような感性といった曖昧さを含んだ分野をコンピュータ化できる可能性を秘めたものなのだ。

このディープラーニング技術において、早くも主導権争いが始まっている。Googleの「TensorFlow」、日本発の人工知能ベンチャーとして注目されているプリファードインフラストラクチャーの「Chainer」、マイクロソフトの「Computational Network Toolkit」などの解析エンジンがオープンソースソフトウェアとして公開されている。

これらのディープラーニングエンジンは、誰でも自由に使うことができ、エンジンを利用したアプリケーションやサービスをビジネス展開することも可能だ。それは、人工知能のプラットフォームとしての地位を確立することが、これからのIT業界において強い競争力を獲得することになると考えられるからだ。

これまでのインターネットにおいては、強力な検索サービスによってウェブへの入口という地位を獲得したGoogleが、その後広告事業で高い収益を上げ、ウェブにおける巨大な存在となった。AIにおいても、そのような地位を得ることをGoogleやMicrosoftは狙っていると言える。なぜなら、これからのITにおいて、AIは必須の技術となることがほぼ確実視されているからだ。その理由はIoTにある。

IoTはすでにバズワードとなりつつあるが、さまざまな機器がネットに繋がり、自らデータを生み出す世界はすでに始まっている。身近な所でも、すでに自動車は高度なセンサーの塊となっており、将来的に自動運転が実用化されたなら自動車間およびでのセンサーデータの共有は不可欠となる。そして、自動車などの機械が生み出すデータは、現在までに人間が生み出しているデータとは比べものにならないほど膨大な量となる。このIoTが生み出すビッグデータを処理するために、人工知能が必要なのだ。

IoTが生み出すデータ量は、あまりに膨大で、もはや人間が直接対処することは不可能だ。つまり、人工知能技術なくして、IoTは絵に描いた餅になってしまうのだ。そして、ビッグデータを処理するAIとしてのデファクトスタンダードの地位を得ることが、その後のAI時代における今のGoogleのような地位となりうるだろう。

その一方で、実はディープラーニング技術などの最先端のAIは、なぜ上手く動作するのか完全には解明されていない。同時に、ディープラーニングのシステムが学習した結果、つまり人間の「記憶」に相当するデータも、実は人にはほとんど理解できないデータの塊だ。そのため、人工知能が学習した成果を人間が把握するためには、人工知能によって人間の言葉として表現してもらう必要があるのだ。そこでIBM Watsonのように言語処理に優れた人工知能のもうひとつの活躍の場がある。

こうした人工知能は、IoT以外にも活用できる。たとえば、企業はいわゆる「データ」と呼ばれるもの、すなわち小売におけるPOSデータ、製造におけるプラントのデータ、顧客データなどだけでなく、日常業務のなかでさまざまなドキュメントも発生してる。日報や報告書、申請書やビジネスメールなどだ。こうしたテキストデータは、あまりデータとして活用されてこなかったが、人工知能技術によってそれらも「データ」として分析できるようになる。

それによって、これまで「人」が持っていたさまざまな業務上のノウハウが、明確なナレッジとして誰でも再利用可能なかたちで共有できるようになる。ソフトバンクが、デモ映像で見せた「ソフトバンクブレイン」が、そのひとつの形だ。Watsonが、社内文書から過去の事例を検索してくれるだけでなく、具体的に営業するための作戦まで考えてくれる。そうやって機械ができるところは機械に任せ、人間は人間にしかできない仕事に集中し、全体として生産性を上げる。これが当面のビジネスにおける人工知能活用のビジョンだ。

IBMはこれまで企業を相手にビジネスをしてきた。そして、企業が持ちながらデータとして十分に活用されていないものの多くは、テキストデータだ。つまり、企業向けのITシステムやサービスを手がけてきたIBMにとって、人工知能で処理する対象として「ことば」にフォーカスするのは自然流れといえる。

また、競争が起きているのは、AIのエンジン部分だけでない。それを高速に動作させるためのハードウェアもGPUベンダーのNVIDIAを筆頭に開発競争が起きているほか、アプリやサービスを動かすインフラとしてのクラウドにおいても、各事業者がAIエンジンを利用しやすいサービスやメニューの提供を始めている。このように、AI技術は、基礎的な部分はすでに実用的なサービスやプロダクトとして出そろいつつあり、AIのために必要なプラットフォームの各レイヤーにおける事業者間の競争も始まっている。

IBMはその競争に勝つため、「ことば」に強いWatsonを用いて企業が今取り組んでいるビジネスを支援するところから攻めようとしている。また、IBM WatsonのAPIを「Bluemix」というPaaSのなかに組み込んで提供しているのも、企業や開発者にとって利用しやすくするというメリットがある。そして、エンタープライズの領域からAIプラットフォーム競争に勝つことがIBMの本当の狙いなのだろう。

快適な睡眠を与えてくれる扇風機


扇風機を買った。モノはバルミューダのGreen Fan 2+。2013年の型落ちモデルが、amazonのタイムセールで45%オフとなっていたので、脊髄反射でポチってしまった。使い初めてまだ3日だが、非常に快適で重宝している。

昨年までは、シロッコファンを使った縦に長い省スペース型の送風機を使っていたんだけど、子どもがひっくり返してしまい壊れてしまった。この送風機を選んだ理由は単純で、部屋の隅に置きたくて、そのスペースにおける寸法で、かつ安価だった(確か4千円前後)ため。使用感はそれなりに満足していたけど、騒音や風の爽快感などはまあ値段なりのもの。

そこから一気にGreen Fan 2+にステップアップ(?)したわけだが、想像していた以上に快適なのに驚いた。DCモーターは、とても静かで、4段階の風量のうち、もっとも弱いとまったく音が聞こえない。2段階目でも、昼間の住宅地で窓を開けていたら、わからない程度だ。3段階目になって、やっと扇風機らしい音が聞こえてきて、最強にしてさすがにはっきりそれとわかる感じだ。

そしてGreen Fanシリーズの売りである、自然な風も気に入った。もっとも弱くても、緩やかな風が離れた場所でも広がりつつ届くので、風に長く当たっていても気にならないのだ。正直、自然なそよ風のように、柔らかくて大きな空気の流れとは違うモノだが、従来の扇風機ともまた別もの。

関東地方の梅雨が明けたこの時期、夜中は熱帯夜ではなく、かといって涼しいというほどでもない、中途半端な気候だ。エアコンでは寒すぎるので、扇風機がちょうどいい。そして、睡眠時に音や風が気にならないGreen Fanはとても重宝している。

確かに値段はバカ高い。他の扇風機との差を考えても、やっぱり定価で3万超えは、どう考えても高い。だけど、ものそのものは本当に満足度が高い。アップル製品並みのデザインであることを合わせて考えても、やっぱり高い。なんとかセールなどで2万円前後で買えれば、個人的にはギリギリ納得できる範囲だと思う。

ChromeとSynapticsタッチパッドの相性問題の回避法


VAIO ProなどのSynapitcs製タッチパッドを搭載しているノートPCとGoogle ChromeのVer.34以降で発生している相性問題(タッチパッドで2本指スクロールをするとChromeがキーボードによる操作を受け付けなくなる)について。

Chromeの開発者フォーラムにはすでにIssueとして登録されているものの、Ver.36 Betaに至ってもまだ修正されていない。そこでフォーラムにレジストリ操作による暫定的な回避方法が投稿されていたので、こちらでも紹介しておく。

レジストリエディタを立ち上げ次のkeyを開く。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Synaptics\SynTPCpl\Controls\2Scrolling\Dialog\1Under pointer

そうすると「Visibility」というvalueがあるので、そのデータを「0」に変更する。

さらに次のkeyを開く。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Synaptics\SynTPCpl\Controls\2Scrolling\Dialog\2Selected item

こちらも「Visibility」というvalueがあるので、これも「0」にする。

そして「コントロールパネル」から「マウス」の設定を開き、「デバイス設定」のタブから「設定」ボタンをクリックする「デバイス設定:Synaptices ClickPad」が開く。

そこで「スクロール」の項目を開くと、「スクロース速度」の項目に「ポインタで示したアイテムをスクロール」という選択肢が増えている。デフォルトでは「選択したアイテムをスクロール」となっているはずなので、前者を選んで設定ウィンドウを閉じる。

これで、今のところ問題は発生しておらず、使い勝手も以前(Chrome 33より前)と変わらない。

丈夫で履き心地が良いスリッパ探し


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この冬に引っ越した。引っ越しに当たって、家具とか家電とかいろいろ買い直したんだけど、それはひとまず置いておいて、今回書きたいのはスリッパ。

実家は2階建ての戸建てで、床はすべてフローリングなのもあって、スリッパを履くことが習慣になっている。なぜって、靴下で板張りの階段を上り下りするのは、かなり怖いよ。子どもならともかく、大人が転げ落ちたら確実に怪我をする。だから、今の実家に住んでいた10年以上にわたり、スリッパ生活を続けていた。

そのせいもあって、今でもスリッパを履かないと落ち着かない。で、問題なのがスリッパの耐久性。体重が70kgを越える男がスリッパをヘビーに履くと、1カ月も経たずにへたってくる。無印良品とかのそこそこ作りが良さげなスリッパでも、そのくらいなので、百均とかの安物だとあっという間に形が崩れ、色あせ、底が破れてくる。

というわけで、しっかりしたスリッパが欲しいと思っていた時期に見つけたのが、ビルケンシュトックのアムステルダム。ビルケンシュトックのショップで見つけたんだけど、それまでビルケンにルームシューズのシリーズがあるなんて、まったく知らなかった。

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フットベッドと呼ばれるコルクとゴムで出来たベース部分は、通常の外履き用のサンダルと同じだけど、アッパーがフェルトで底が柔らかい素材になっているのが違うところ。あの足裏をじんわりと押し上げるような履き心地は、まさにビルケンシュトック。

2~3日、履いているうちにフットベッドが少しずつ沈み込み、足裏にピタッと合うようになる。使い初めて1カ月ほど立ったけど、足に馴染みこそすれ、へたるような気配はない。これなら1年くらいは問題なく使えそう。

ただ、布製のスリッパよりは、どうしても吸湿と発散は劣るようで、気温が上がってくるにしたがって、蒸れるような感覚がある。アッパーのフェルトが、厚さ5ミリはあろうかという丈夫なのも一因かもしれない。

実はビルケンシュトックのルームシューズには、アムステルダム以外にも、ストラップタイプもラインナップされている。つま先が解放されているので、たぶん蒸れとは無縁。梅雨入りしたら、そっちに履き替えるのもいいかもしんない。

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ThinkPad X200sのファンを交換


4年目に突入したThinkpad X200s。ディスプレイの広さ(12インチ、1440×900ドット)と十分なCPUパワー(Core2Duo SL9600 1.86GHz)に加え、ストレージをSSDに換装(Intel SSD325 240GB)したおかげで、パフォーマンスに関してはまったく不満がない。

とはいえ、3年も使っているあちこちガタが来ていて、中でも気になるのは冷却ファンの振動。軸がへたっていて、ファンの回転数が上がると、小さくブルブルと音を出すようになってしまった。そこで、ファンを交換することにした。

Lenovoのサービスセンターにパーツの取り寄せを頼もうとしたところ、冷却ユニットまるごとになってしまい、4千円を超えてしまうとのこと。なのでebayで探して、ファンのみを購入した。

replace a fan in the Thinkpad X200s

ところがここに罠があった。最初に購入した中国のシンセンの業者から届いたのは、もともと内蔵されていたファンとまったく同じ型番なのだが、なぜか消費電力が0.9Wから0.7Wへと減っていた。

当初はあまり気にせず、そのままX200sに載せてしまったが、どうも冷却効率が悪い。Core Tempで確認すると、アイドリング状態で50度付近をウロウロしている。以前なら、45~46度くらいだったのに。つまり、消費電力が減った分、最大回転数も落ちている模様。

これでは夏に向けて不安なので、再びebayにて今度は香港の別の業者から取り寄せてみた。2週間ほどして届いたファンは、同型番で消費電力も確かに0.9W。ただし、今度はなぜか電力ではなく電流での表記(0.18A)となっていて、そして肝心のコネクタが3芯ではなく4芯のものだった。

うーむ、これだから海外通販は怖い。

まあ、コネクタはもともとX200sに載っていた物を移植すればいいので、たいしたことではない。何より、送料込みで1個あたり400~600円と格安なんだから仕方がない。そういうわけで、再びファンを乗せ替えて、今度はきちんとアイドル状態で50度を下回ることを確認して、今回のメンテは完了。

上の写真が、今回のファン達。上が元のファン、左下が0.7Wのファン、右下が0.18A表記で4芯コネクタだったファン(写真は3芯に変更済み)。どれも見た目はほとんど同じで、違いはほんのわずかなんだけど、そのわずかな違いに振り回されてしまった。

【覚え書き】データ・セントリック社会


物の価値というコンテクストに依存する量を一般化、抽象化することを可能にした

物の価値を決定していたコンテクストは、時と場所と人によって変化していた。相対による物々交換経済は、それ以外の取引方法が不可能だった。それを「貨幣」は、たったひとつのスカラーとして扱うことで、普遍性を獲得した。

抽象化しても、時間だけはすべての人間にとって等しく流れるものだから、それのみをコンテクストとして取り込むことで、利子や割引率などが生まれた。

貨幣自体にベクトルはなくても、各々の商品とその具体的なニーズにはベクトルがある。それを合成することで、ものの市場価値が決まる。

物の価値を抽象化した貨幣は、ものの取引を効率化するためのものだった。抽象化されつつも、実際の物とニーズにはベクトルがあり、市場価値はすべてのベクトル合成によって決まるとするなら、そのベクトルの小さな変化や差異を読み取ることで、利益が生まれる。それが裁定取引。

だが、抽象化された貨幣であっても、時間というコンテクストをはぎ取ることは不可能だったように、国や地域というコンテクストが残った。また、証券や債券という、貨幣に近い価値を持ちながら、貨幣よりもコンテクストを持ったものを生み出すことで、価値を生み出したり操作したりする手法も生まれる。

抽象的なものの操作は人間だからこそ可能なことだが、抽象概念の操作は複雑で理解しにくい。その微妙な理解の差自体もまた、価値の源泉となっている。

それに逆らうかのように、貨幣に強制的にコンテクストを付与することで、価値創造可能な領域を絞って、貨幣操作自体が暴走しないことを目指したのが地域通貨。ただ、実際には価値の操作の領域制限と創造のインセンティブとの設計が、困難であるし、抽象化可能な価値以外の価値を「貨幣」に与えることになるため、その「抽象化不可能な価値」を共有できる範囲内でしか成立できない。

だが、貨幣にもまだコンテクストが残っているということは、さらなる抽象化が可能であると言うことだ。物の価値を徹底的に抽象化していくと、残るのは純粋な量を示すデータでしかなくなる。

物の価値を示す貨幣は、結局あらゆる人と価値を共有するために、バラバラのベクトルというコンテクストを合成したように、「コンテクスト」というベクトルによって量が決定されている。

ならば、コンテクストをすべて把握することができれば、物の価値を性格に把握できる。コンテクストが物の価値を決定するなら、コンテクストそのものが価値であると言える。

コンテクストとは、すなわちデータ。ある物に係わるすべての要因を示すデータ。複雑で多様で大量な要因。従来の経済学や物理学は、複雑な環境要因のパラメータを簡略化することで、公式化したが、数学的手法と機械的計算力の獲得で、環境余韻をざっとデジタル化して扱うことが可能になってきた。

つまり、統計力学的手法がより精度を増したように、経済学的社会学的な分析手法が統計学的により精度を増していく。

データが物の価値を決める。ならば大量に勝つ迅速にデータを集めて処理できれば、それ自体が市場における強さになる。それが今のビジネスで起きている変化だ。

オウンドメディアがオウンドメディアであるために必要なたったひとつのこと


これまでオウンドメディアのパイロット版コンテンツ制作みたいなことを何件か手伝った経験がある。それを踏まえてひとつ言えるのは、どんな形であれ企業が「メディア」的なものをつくるためには、やはり“中の人”が意思を持ってディレクションすることが必須だということ。

ただし、“中の人”といっても企業のソーシャルメディア活用のように、読者に対して人格が見えるアクティビティをしろというわけではない。もっとシンプルに「編集長」である自覚を持つということだ。

実際に企画や編集や制作や執筆などの実務は、外部リソースをいくらでも使えばいい。だが、それをジャッジするのは自分だという自覚を中の人が持ち、そしてその自覚と意志をスタッフに示さなければ、周りがみんな途方に暮れてしまう。

「これって私は違うと思う」
「これこれこういう理由で、こうしました」
「やっぱり私は違うと思う」
「じゃあ、どうしましょう?」
「うーん」
「やり直しますか?」
「この文章も違うと思うし」
「でも、想定読者の一番の関心ってこれですよね」
「確かにそうだけど」

数年前、とある企業のb2b新規事業立ちあげに伴って、単なるパンフレットではなく、企業内担当者の役に立つものを作りたいと言われて、企画と執筆をやったことがある。上記の会話は、その時のもの。噛み合っているんだか、いないんだかわからないが、それは当事者もそのように感じていた。

「違う」と繰り返すだけで、どこが、なにが、どのように、という具体的なところを一切示さない担当者で、大変に難儀した。ロジカルな説明に対して、印象でNGを出され、なおかつ「やり直す」というジャッジすら下してくれない。

「違う」というものが言葉にしづらい感覚的なものなら、例を探し、比喩をたずね、自分の感覚に近いものを示してくれれば、こちらも全力で汲み取る努力をする。だが、口から出てくるのは「違うと思う」という、曖昧なセリフのみ。

3ヶ月ほど、ラフやらカンプやらを示しては「違うと思う」を繰り返した。最終的には、担当者は移動してしまい、その企画自体がなくなり、事例が多く載ったごく普通のサービスパンフレットを作成するにとどまった。

これは極端な例にしろ、違うと思うなら、どう違うのか伝える努力をし、やり直させるなら自分の意志と責任でリテイクさせる。「違う」とだけ言っていて許されるのは読者だけなのだ。メディアは事業であり、プロジェクトだ。したがってリーダーが最終決定をしなければならない。

そして、オウンドメディアも、メディアなのだ。かっこいい体裁のコンテンツが欲しいだけなら、素直にタイアップ広告をやっていればいい。その方が代理店なりがよしなにしてくれるので、よほど楽だ。だが、あえてオウンドメディアをやるというならば、それまで「よしな」にしてもらっていた部分は、自分たちで決めないといけないのだ。それがオウンドメディアなのだ。

そんなようなことを、数年前にサポートした某社の某事業がひっそり終了したとの報を聞き、改めて思い起こした。