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2005年11月24日

『萌えてはいけない』メモ

11月23日にデジタルハリウッド大学院の秋葉原キャンパスで行われたトークイベント「萌えてはいけない」に行ってきた。イベントの発表当初は出演者に名前のなかったいしかわじゅんも、最終的に出演が決定。これでマンガ夜話のレギュラーメンバーが全員揃ったことになる。

ステージ左から、笹峯あい、大月隆寛、岡田斗司夫、夏目房之介、いしかわじゅんという並び。そしてシークレットゲストが、なんと冨野由悠季。司会からこの名前が告げられた瞬間、会場からどよめきのような歓声が上がった。富野監督は、いしかわじゅんの隣に座ったが、この並びには終始不安が隠せなかった(笑)。

実際は、いしかわじゅんと富野由悠季は、控え室で意気投合したらしく、なかなか和やかな感じ。途中、誤解から富野監督がいしかわじゅんを噛みつかんばかりに睨んだところがあったけど、あれはパフォーマンスだしね。それよりも、イベントの運営スタッフの不手際が目立った。スタッフブログにもちょろっとあるが、連絡ミス、進行ミス、確認ミス、などなどあって、大月隆寛が「怒るぞ」とすごむ場面も。

以下は取った手書きのメモを適当に書き起こす。主に前半分のみだし、そのうちでもさらに書き取れた部分、興味を持った部分だけだから、ここにあるのは全体のごく一部。

富野監督が吼えたのは後半だけど、そこでの議論としては既出のものだし、クリエイティビティとビジネスというありがちな二項対立の図式になってしまったので割愛。

あ、手書きメモがベースなので、文章文意はかなり不正確。そのまま受け取らないように。それと(カッコ)でくくった部分は、出演者の発言を受けてのワタシ自信の感想とか意見。

------以下メモ------
ケータイによる投票
「うる星やつらは萌えか?」

富野:「うる星やつら」のエポックメイキング性
アニメの方向性を変えた作品。「曲げられた」という感覚で、ある種の的と認識。
アニメのターニングポイントではあった。

岡田:オタク文化の受容のされ方が、変わった。好きで真似るときに、必ずしもそっくりに描かない。下手で似せられないのではなく、自分が好きであれば書いたものが似てなくても良い。あえて自分の絵で描くことに意味を見いだす。

いし:自己表現としての、ファンイラスト。

岡田:70年代までは、アニメは大人が子供に見せるために作っていた。それ以降は自分たちがやりたいようにやる作品が許容され始めた。

富野:「うる星」のような作品が女性の描き手から出てきたことがショック。

笹峯:不満げ。

いし:「高橋留美子」という枠でみると、アニメ業界とマンガ業界では評価が異なる。

岡田:マンガ業界では、ヒットを生み出したビッグネームではあり、女性で少年マンガ誌で描いたという以外は大きな評価点がない。

岡田:アニメ業界では、「うる星やつら」以降、アニメ単体でビジネスが成り立つというモデルになった。キャラクタ商品、声優、劇場映画、音楽、ビデオ、などなど。その点で、「うる星やつら」は大きく評価されている。あと、押井守を初めとする、新しい世代のスタッフがここから生まれた。

夏目:アニメは原作のマンガが元にあって、それをより売るためのもの。70年以後は、アニメ独自の企画も登場し、マンガとアニメが等価に。

岡田:作り手と受け手の関係性が崩れた。アニメの本数が増え、従来のようにスタジオの中だけで制作できなくなり、外部のスタジオ、外部の人材を受け入れていった結果、管理が緩くなり、スタッフの暴走が可能になった。

投票の結果発表。
結果はYesが40%、Noが60%で、萌え出はないという意見が過半数。

大月:意外だけどわかる。

岡田:いまの萌えの文脈からは外れるけど、あの時代、あのときの受け手にとっては「萌え」だったことは間違いない。

いし:「うる星やつら」は萌えの「鳥獣戯画」

大月:萌えは「土人の文化」だから(笑)。理解できない。

岡田:勝手に何かやっていて、勝手に盛り上がっている。俺たちはそれを外から入っていって、観察している。

岡田:萌えをわかるには「萌えエンジン」が必要。言い換えると「萌えチンチン」。
自分には萌えは理解できないけど「仮性萌えチンチン」があるので、かろうじて引っかかる。

大月:NHKでは萌えを取り上げられなかった。出演者側のキャパの問題。準備が大変で取りかかれなかった。

夏目:萌えは、先にジャンルがあった。ギャルげーもエロゲーも美少女マンガも、すでにジャンルとして確立していた。あとから「萌え」という表現ですべてくくられるようになった。
不思議なのは、みんな自分が萌える作品やジャンルを取り上げるとき、自虐的になる。

(「萌え」が前近代的な評価基準だから。西洋的な絶対的な上下の評価軸ではなく、中身を空洞化させた「オレ」の評価、つまり一般化や共有がしにくいことが前提の評価軸だからか?)

岡田:そこには日本人の特性が関わっている。
「萌え」とは新しい女性に対する評価基準。昔のマンガ雑誌は、表紙が長島や王や大鵬だった。いつからから、グラビアが着くようになった。

いし:不思議だったけど、編集者に聞くと売上げが1割2割上がるからだという。それは仕方がない。

岡田:いつからか、マンガは「カワイイ女の子」を見るための媒体になった。2次元or3次元、リアルor架空は関係なく、カワイイ女の子を見るためのもの。

(セクシャリティがつきまとう。岡田が以前から行ってた「萌え=エロ」説か)

笹峯:萌えを送り手側やお金を出す側は、萌えを意識している?

いし:当然してる。

岡田:今の萌えの議論が、かってのSFの議論とまったく重なる。
SFというジャンルはマイナーであり続けるけど、「拡散と浸透」という方向性で、いろんなメディアに入っていった。今のマンガの多くが、昔ならばSFと言われた。書く側も、読む側もSFとは思っていないけど。萌えも、やがて同じことになる。そういう意味では、萌えは世界にも広がっていく。


夏目:環境の変化もある。クリエイティブへの敷居が下がっている。それは基本的にいいこと。

大月:不安がぬぐえない。ゴミも増えるんじゃないか。
ベンヤミンじゃないけど、作品にはアウラがあるかもしれない。ベンヤミンの説では、コピーにアウラは宿らないけど、オタク文化、萌えではコピーにアウラがあるんだよ。それは不思議。

岡田:底辺が広がれば、必然的にピラミッドも高くなるから、心配いらない。

笹峯:なんか、みんなの熱量が下がっている感じが。

富野:そんなことはない。全体の熱量は変わっていない。人口が増えて多くなりすぎた分、1人あたりは薄まっているかもしれない。
だけど、土人出身のクリエイターには能力がない。奴らにはコピーしか作れない。アウラがないんだよ。作る側の吟じみたいなものがない。そんな奴らが多すぎる。クリエイターは公共をもっと意識すべきだ。押井守も、なんであんな風に自分の作りたいようにだけ、作れるんだっ!

岡田:頭の中の理想の女に比べれば、現実の女なんてどうでもいい。

笹峯:男が皆そんなんじゃ日本の将来はどうするんですか?

岡田:世界の問題と自分の問題を重ね合わせて考えてしまうのがセカイ系。

岡田:萌えは別腹。

岡田:萌えの感情の根っこは、対象への同質化願望。

2005年11月14日

家庭用人型ロボットの価値

三菱重工のwakamaruをじっくりと見る機会があった。販売価格は157万5千円。身長1m、体重30kgのクセして、車並みの値段だ。

三菱重工ではwakamaruを、家族でもペットでもなく、また家電製品でもオモチャでもないものと位置づけている。家の中で人の側にいて、ふと目にとまったときに心を和ませるものであって欲しいと、担当者は語っている。実際のところ今のwakamaruは、特別なにかの役に立つ機能を搭載している訳ではない。物を運ぶことはできないし、メールをやりとりするならケータイやパソコンの方が便利だろう。

それでは、100万円以上もする高価なロボットを、一般家庭で購入するというのは、どのような理由が考えられるだろうか。

1つ忘れてはならないのは、wakamaruが単体でネットワーク機能を持っているという点だ。これはインターネットに接続できるというだけでなく、今後普及すると思われるホームネットワークにも接続できることを意味する。ホームネットワークは、デジタル家電などのコンテンツをネットワーク経由で共有するエンターテインメントでの利用のほか、火災や侵入者を検知するセキュリティを目的としたセンサーネットワークも含まれている。

これらのネットワークは現在のところバラバラに家庭内に混在している状況だが、将来は一つの物に統一されることが予想される。そうなったとき、これらのネットワークとネットワークに接続されたデバイスを、統一的に管理するインターフェイスが必要となるだろう。しかも簡単荷である。パソコンや、一部のAV機器のような複雑なリモコンをつかって管理するというのでは、だれでも使えるというわけにはいかず、一般家庭には普及しにくいだろう。そこでwakamaruのような、ロボットがそれを代行することは考えられないだろうか。

三菱重工が販売に踏み切った理由の一つが「未来の家庭用ロボット市場で先行する」ためとしている。つまり、これだけの先行投資をしても、回収できると判断があったということだ。それを持って家庭用ロボット市場が間違いなく立ち上がるとは言えないが、家庭内のネットワークとそれに接続するデバイスを統一的に管理するインターフェイスとしての条件は十分に備えている。

近い将来、ロボットは新たな情報家電の1ジャンルとなるかもしれない。

2005年11月11日

神、神の遺伝子、偽造される神

ちょうど一年ほど前に、いわゆる“ゲイ遺伝子”で有名なディーン・ヘイマーが、またまたセンセーショナルな発表を行った。それは「信仰の深さは遺伝する」というものだ。

研究の内容は、2,000人のサンプルから226項目の聞き取り調査とDNAスクリーニングを行ったところ、信仰心が深い人ほどVMAT2遺伝子を持っている傾向が高いという結果が出たという。これをしてVMAT2を「神の遺伝子」だと、ニュースで伝えられた。当然、結構な騒ぎになり、宗教家からの批判もなされた。

まあ、ゲイ遺伝子のときの騒動からもわかるが、ディーン・ヘイマー自身はそこまではっきり言うほどバカじゃない。それどころか彼自身の著作を読めば、非常に慎重な書き方をしているのがわかるだろう。

VMAT2遺伝子によって作り出されるタンパク質は、その機能が十分にわかっているとは言えないが、少なくともシナプス小胞がドーパミンを取り込む能力に関係があるようだ。別の研究によると、コカイン乱用者の脳ではVMAT2タンパク質が失われており、これによって脳内のドーパミン活性が低下、つまり天然の脳内麻薬の効果が落ちる。ドーパミンの効果は「幸福感」。これが低下するため、それを補おうとコカインに対する習慣性が発生するようだ。なるほど、「神」からの疎外がジャンキーを生み出すとも言える。

実際のところ、VMAT2だけが信仰心を決めるわけではないが、脳そのものが信仰を生み出す機能を持っていることは間違いないだろう。これまた別の研究では、脳のある部位に電気刺激を与えると、信仰の有無に関係なく「神々しさ」を感じることがあるという。

宗教はよくミームの例として取り上げられるが、そもそも脳自体に宗教というソフトウェアを実行可能なハードウェアモジュールが搭載されているのだ。

以上のことを踏まえた上で、とあるところでやりとりされていたメール。

"The God Gene: How Faith Is Hardwired Into Our Genes"

アマゾンでディーン・ヘイマーを検索したら、こんなの出てきた。
信仰心の厚さにも遺伝子が関わっているという話。

ペーパーバックが先月出たばかり。思わずクリックしてしちまった。今月いくら使えば気が済むんだ、オレは。

さらに検索かけたところ
 
> 小胞性モノアミン輸送体(VMAT2)
 
という遺伝子の有無が焦点だそうな。
 
関連事項知ってる?。確か前に聞いた気がするんだが・・・。
ホット・ワイアードで似た記事を読んだ気もするな。
 
添付、物憂げな表情がなんともw。

これに対する返信。

添付の画像、深いな。

おっばいは神。しかし、その神の偽者を作る自分。そして、偽者とわかっていながらそれに萌える自分。

信仰への欺瞞を理性がささやきながらも、ちんこがおっきしてしまう。

神とはなんだ。偽者にすら神は宿るのか。それとも自分の頭の中で作りだしたものなのか。遺伝子におっぱいに神聖さを感じるようにプログラミングされているのか?

おっぱいを目の前にした時の、この胸の高鳴りは真実。だが本当におっぱいに萌えているのか?

おっぱいに萌えている自分に満足しているだけじゃないのか?

ああ、おっぱい、おっぱい……。教えてくれ。

バカだ>オレ。

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2005年11月01日

Movable TypeのDynamic Publishing

MT3.2の再インストールをしたついでに、Dynamic Publishingを使ってみる。ふだんtDiaryを使っている身からすると、エントリを修正したり、デザインを変更(テンプレート修正)するたびに、全HTMLを再構築するMTは、もどかしい感じがするのだ。

MTでダイナミックパブリッシングを導入するのはとてもカンタンだ。[メイン・メニュー > B.M.F.Blog > 公開の設定]にて「再構築のオプション」で、「アーカイブのみダイナミック・パブリッシングで出力します」か「テンプレート別に、スタティックHTMLもしくはダイナミック・パブリッシングを選択します」のどちらかを選択するだけ。

これでブログの公開ディレクトリにMTが自動的に[.htaccess]を作成してくれる。このファイルの中身は、mod_writeを使ってアーカイブへのアクセスをすべてmtview.phpに引き渡して、ファイルを動的に生成させている。

カンタンに使えるMTのダイナミック・パブリッシングだけど、もともと静的HTMLで公開していたものを、あとから動的生成にするとちょっと不都合が生じる。切り替えても過去に生成した静的なHTMLはそのまま残るので、あとからテンプレートなどを変更しても、古いアーカイブは古いデザインのままで残ってしまう。

それを避けるためには、.htaccessでRedirect permanentを使うのが楽ちんだ。仮に「http://www.example.com/blog/」で公開していたとすると、静的HTMLの場合はアーカイブページは「http://www.example.com/blog/arihives/」以下に生成される。そこで.htaccessに

Redirect permanent /blog/archives/ http://www.example.com/blog/
というのを追加してやると幸せになれるかも。