三菱重工のwakamaruをじっくりと見る機会があった。販売価格は157万5千円。身長1m、体重30kgのクセして、車並みの値段だ。
三菱重工ではwakamaruを、家族でもペットでもなく、また家電製品でもオモチャでもないものと位置づけている。家の中で人の側にいて、ふと目にとまったときに心を和ませるものであって欲しいと、担当者は語っている。実際のところ今のwakamaruは、特別なにかの役に立つ機能を搭載している訳ではない。物を運ぶことはできないし、メールをやりとりするならケータイやパソコンの方が便利だろう。
それでは、100万円以上もする高価なロボットを、一般家庭で購入するというのは、どのような理由が考えられるだろうか。
1つ忘れてはならないのは、wakamaruが単体でネットワーク機能を持っているという点だ。これはインターネットに接続できるというだけでなく、今後普及すると思われるホームネットワークにも接続できることを意味する。ホームネットワークは、デジタル家電などのコンテンツをネットワーク経由で共有するエンターテインメントでの利用のほか、火災や侵入者を検知するセキュリティを目的としたセンサーネットワークも含まれている。
これらのネットワークは現在のところバラバラに家庭内に混在している状況だが、将来は一つの物に統一されることが予想される。そうなったとき、これらのネットワークとネットワークに接続されたデバイスを、統一的に管理するインターフェイスが必要となるだろう。しかも簡単荷である。パソコンや、一部のAV機器のような複雑なリモコンをつかって管理するというのでは、だれでも使えるというわけにはいかず、一般家庭には普及しにくいだろう。そこでwakamaruのような、ロボットがそれを代行することは考えられないだろうか。
三菱重工が販売に踏み切った理由の一つが「未来の家庭用ロボット市場で先行する」ためとしている。つまり、これだけの先行投資をしても、回収できると判断があったということだ。それを持って家庭用ロボット市場が間違いなく立ち上がるとは言えないが、家庭内のネットワークとそれに接続するデバイスを統一的に管理するインターフェイスとしての条件は十分に備えている。
近い将来、ロボットは新たな情報家電の1ジャンルとなるかもしれない。