« Movable Type 3.3 beta2 公開 | メイン | アニメスタイルイベント「語れ!『トップをねらえ2!』!!」 語る誠実さと語らないこかっこよさ »

必要なのは「検索エンジン」そのものじゃない

Nothing ventured, nothing gained. - [ネット技術]国産検索エンジンが欲しい人いる?

及川さんが「<検索エンジン>日本の30社・機関が独自開発へ」との毎日新聞のニュースを引いて「なんでわざわざ共同でつくんの?」という疑問を呈している。

あらゆる情報への入り口としての検索エンジンの重要さは、今さら否定する人もいないだろうけど、それを「アンチGoogle」の旗の下に国産にこだわるのはどーなんだろう。ユーザーの立場からすれば、Googleも日本企業も五十歩百歩なんじゃないのかい?

このニュースはほかのメディアには載っておらず、関係者からのリークによるものだろう。その正体はおそらく官邸のIT戦略会議で立案中の「重点計画-2006(案)」の中に出てくる、「情報大航海プロジェクト」のことだろう。

映像検索、情報解析等の次世代の知的情報アクセスに関する技術開発(経済産業省)情報検索・解析等の次世代の知的情報アクセス分野において、我が国の国際競争力を強化することを目的として、2006 年度末までに「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム(仮称)」を設立するなど産学官による研究開発体制を整備し、映像検索、情報解析等の研究開発を進める。

国がすべきなのは、国民が必要とするものを国自身が作ったり、その音頭を取ったりすることじゃあないだろ。ここで国がするべきなのは、国だけができることだ。すなわち「法による規制」。

レッシグがCODEで主張したとおり、ネット上ではCODEを操るものが大きな力を得る。それはGoogleの姿を見れば明らかだろう。だからこそ、その力を持つものがCODEに恣意的な操作を行なわないように法によって規制すべきだ、というのが「CODE」においてレッシグが展開した議論だ。

Googleが信用できないから、国内の企業だけで検索エンジンを作る。そのこと自体は何の文句もない。だけど、その企業が常に信用できるとは限らないのは、日本の企業だろうがアメリカの企業だろうが一緒だろう。

ネット上では中国の政治的な要請によって、Googleが検索エンジンのアルゴリズムに変更を加えたことに対して、批判的な意見がかしましい。その意見の背後には、総じて中国よりも言論の自由があるであることの自負心が見える。

だが、現状で日本や米国では、検索エンジンを規制する法律が、“現時点では”存在しないに過ぎない。だが、法律などなくても、企業はその行動原理に基づいて、検索結果に対してさまざまな影響を及ぼそうとする。

その影響は、SEO/SEMのように間接的な方法もあれば、ウェディング問題やGoogle八分のような直接的な介入によるものまでいろいろと考えられる。

たとえば、Google八分はしばしばネット上で“祭り”を引き起こす。そしてその矛先はGoogleに向かうが、残念ながら一企業に過ぎないGoogleは、何か問題が起こったときは、その声が大きい方に従いがちだ。

企業であれ人間であれ、そういうものだから過度にそれを攻めても仕方ない。ならば必要なのは、そこで検索エンジンの中立性を担保する手段を用意すること。つまり法律を作ることだ。

政府の定めるIT戦略において検索エンジンが重要だと思うならば、音頭を取って企業集めて、烏合の衆にワイワイとやらせるよりも、まず検索エンジン運営者がなんの気兼ねもなくサービスを提供できる法的な下地を作らなければならない。

とはいっても、そういった法律を作ってしまうと、今度は政府・行政が検索エンジンに直接的に干渉できなくなっちゃうからなぁ。まず制定されないよね。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://buru.jp/mt/mt-tb.cgi/76

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2006年06月15日 23:32に投稿されたエントリのページです。

ひとつ前の投稿は「Movable Type 3.3 beta2 公開」です。

次の投稿は「アニメスタイルイベント「語れ!『トップをねらえ2!』!!」 語る誠実さと語らないこかっこよさ」です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type