デジカメ選びで考え抜いたあげくに買ったのはLUMIX GX1

昨年から動作の怪しかったデジカメが、とうとう動かなくなった。丸3年間、カバンに入れっぱなしで、ほぼ毎日持ち歩き、撮影枚数も数万ショットを超えたので、十分に元は取った。

常時携帯用のコンデジは、仕事でもプライベートでも必需品なので、すぐにでも代替機は購入する必要がある。以前にも一通り悩んだだが、あれから更に新機種も登場したことで、さらに悩みは深くなった。

結果だけ先に書くと、結局の所買ったのはパナソニック GX1のXレンズキット

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11月の発売時点では眼中になかった機種だ。マイクロフォーサーズについては同じくパナソニックGF3とオリンパスE-PL3を検討していたが、どこまで言ってもレンズ交換タイプは全体の大きさが、カバンに入れっぱなしにするには厳しいという結論だった。

その気持ちが大きく変わったのが、GX1のキットレンズ LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.の存在。

これを装着することで、標準ズーム付きのミラーレスカメラがコンデジ並みとまではいわないまでも、カバンに無理なく入れられる程度の大きさとなる。これが決め手だった。

ちなみに、購入までに検討してそれなりに有力な候補になった機種はキヤノンS100、キヤノンG12、リコーCX6、リコーGXR P10、富士フイルムX10、ニコン J1、パナソニックGF3、オリンパスE-PL3といった辺り。

そして今回、デジカメを買うにあたっての観点になったのは「3つのバランス」だ。ひとつは、大きさと画質のバランス。ふたつめが価格と機能のバランス。最後が操作性とオートのバランスだ。

ひとつ目の大きさと画質のバランス。これまではニコン D300とリコー CX1という、デジイチとコンデジという2台体制で運用してきた。

D300はニコンのDXフォーマットのフラッグシップで、今となってはだいぶ古いが十分な画質を持っている。しかし、レンズも含めるとそれなりに重量があり、気軽に持ち出す訳にはいかず、本気の仕事の時に限られてしまう。

CX1は、リコーがGRデジタルのリリース後に送り出した、スタンダードなコンデジだが、標準的なスペックには似合わない操作性の良さを持つ機種。ただ、絵はあくまでもコンデジ。

この2つを使っていくうちに、あまりに両極端な2つの中間が欲しくなって来てしまった。D300のように、高い画質をもちレンズによって機動性や表現を替えられ、CX1のように気軽にどこにもでも持って行ける。そこにGX1とXレンズの組み合わせがピタリとハマったのだ。

2つ目の価格と機能のバランス。マイクロフォーサーズは、パナソニックGF3、オリンパスE-PL3を検討していたが、どちらもタッチパネル中心の操作性で、それが納得いかなかった。この上位機種となるとオリンパス E-P3があるが、価格がポンと跳ね上がる。

GX1も同様だったが、こちらは年明け以降に急に値段が下がりだした。2月に入ると更に下がり、3週目に入る頃には5万7千円を切るまでになった。これはちょっと安すぎるくらいだが、この機能と操作性にXレンズのコンパクトさを鑑みたら“買い”以外の何物でもない。

3つめの操作性とオートのバランス。D300は、Pモードはあるにしろ、基本的に絞りやシャッタースピード、ホワイトバランス、ISO感度などを自分でマニュアル操作するカメラだ。めんどうだけど、そうやって設定を変えたらそれに応じて、きちんと欲しい画を吐き出してくれる。

一方、CX1はオートのみ。絞りもシャッタースピードも変えられない。ISO感度や露出は変えられるが、それで画が劇的に変わるわけじゃない。でも、だいたいの場合にそれなりの画を出してくれるので楽ちんだ。

そしてGX1は、この2つのメリットを併せ持っている。完全にマニュアルで、すべてを自分で操作できる一方で、インテリジェントオートにするとシャッターを押す以外の操作が不要になる。仕事で設定を追い込んで撮りたいときと、何も考えずにスナップを撮りたいときの両方に対応できる。

というわけで、個人的なニーズにGX1は奇蹟のごとく当てはまったため、最終的には迷うことなく購入に至った。

最後に難点と言えば、すでに沢山のラインナップが揃っているマイクロフォーサーズのレンズが、次々と欲しくなってしまうこと。やっかいなことに、パナソニックでは今ちょうどGX1を対象にしたキャッシュバックキャンペーンを行っている。

これの締切が3月25日なので、それまでにLUMIX G X VARIO PX 45-175mm/F4.0-5.6 ASPH./POWER O.I.S.かLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH.のどちらを買わなければ……。



考えれば考えるほどドツボにハマるデジカメ選び

常時携帯しているリコーのCX1がだいぶくたびれてきた。レンズにガッツリ傷がついて、あちこちネジが外れている状態。そろそろ代替を考えた方が良さそうだ。

デジカメが必要と行っても、メモ程度ならスマホで十分だし、インタビューやブツ撮りならデジイチの出番。でもイベントや発表会の取材の場合、コンデジくらいの画質とズームと軽さと扱いやすさがちょうどいい。

なので、昔から常にカバンの中にはコンデジが一台入っている。CX1の前には、同じリコーのGR Digital IIIがカバンに入っていたけど、飲み屋で泥酔した際に紛失した。今のCX1が動かなくなる前に次の準備をしないといけないんだけど。どうしたものか。

迷っているのは、ミラーレスの下位機種がだいぶ小さくなって、価格もこなれてきているから。コンデジとデジイチ(含むミラーレス)の違いはいくつかあるけど、ひとつにはバッテリー容量から来る半導体周りのパフォーマンスの差による操作性。要はサクサク使えるかどうか。

デジカメのコンポーネントのうち、消費電力が大きいのは、背面の液晶ディスプレイ、撮像素子の待機電流、フラッシュメモリの読み書き、そしてプロセッサの順番。このうち、最初の3つは、コンデジという商品性から、標準的なコンポーネントを使用せざる得ないため、消費電力を大きく減らすことができない。

となると削るのは半導体を含む処理系全体での消費電力。なので、デジイチとコンデジでは、撮影時の操作性に大きな違いがある。半導体自体の高性能化と低消費電力化で、コンデジもひと昔前よりはだいぶ操作性は向上したけど、それでもデジイチ並みのレスポンスは望むべくもない。

そこに出てきたミラーレス。デジイチとコンデジの間を埋めるものとして、コンデジよりはバッテリーなどに余裕があるので、デジイチほどじゃない処理系もそれなりのパフォーマンスだ。機種によっては、残念なものもあるみたいだけど、その辺はやはりコンパクトさとトレードオフ。

ただ、素直にミラーレスに踏み切るのも抵抗がある。すでにデジイチでレンズをいろいろ揃えているので、これ以上のレンズ沼は避けたい。それにミラーレス機は、標準ズームだと結構、かさがある。カバンに入れっぱなしにするには、厚みで5~6センチ前後が限度だし、重量もトータルで500グラムを切っていて欲しい。

いっそのことだいぶ値が落ちたCX1の直系のCX5か、レンズが明るいニコン P300あたりでとっとと手を打つのが賢いのかもしれない。だが、店頭で、富士のX10や、ニコンのJ1を触ってみると、かなり使いやすく、心が揺れる。さて、どうしたものか。