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2000 Ougast


第141話 2000/8/31(木)

▼ちょっと気になる台湾メーカーの発表会に出るため、今日は早起き。といってもたかが10時で早起きなんて言うと、どこからか石が飛んできそう。先週の発表会はすっぽかしてしまったんで、今日こそはと早めに家を出て開始1時間前に余裕で到着。さすがに誰もいないだろうと思いきや、アメリカから帰ったばかりのライターのK原さんすでにいらっしゃってる。「まだ誰も来ないんスヨ」と言われても、1時間前じゃ当然。雑談をしているうちにVマガのメインライターのO原さんがSiSの女性社員を伴って到着。入れ違いに自分は食事に出て、ドトールでミラノサンドとカフェ・ラテを食す。発表会が始まってみると、PC WatchからはU田さん、パワレポからはO川編集長、K籐副編、I町デスクにM崎さん、でウチからはS木さんとワタシと総勢6名。ライターのK原さんまで含めると関係者が計7人の大所帯なのが判明。みんなして来すぎ。

 物自体はとっくのとうに6月のComputexで発表されているSiS730Sの再お披露目で、新鮮味はほとんどなし。おかげさまでプレゼン中はよく寝れました。途中、DVDの再生デモでMATRIXのビル突入シーンを流したところでお目々がパッチリ覚める。最後の質問でS木さんがTimnaの対抗製品について聞くと、狼狽えたように長いいいわけを回答したのがちょいと気になる。K原さんといえば、やっぱりSiSのことなんかほったらかして何故か来ていたAMDの小島さんに突っ込みを入れているし。小島さんも小島さんで、未だに正式回答を出来ないような代物をプレゼンするし、答えられないなら見せるなよ、って感じィ〜。


第140話 2000/8/30(水)

▼ちょっと人には言えないような時間に出社。素知らぬ顔をしてデスクに座り野暮用を済まし、素知らぬ顔をして会社を出て秋葉原に向かう。某T店でメルコのGPAカードWEO-GPAを見せてもらって記事用に購入。それ以外は今週はネタはなさそう。その他はノートPCの価格調査に専念。

 編集部に戻ってからは終電までひたすら作業。途中でI橋編集長(この間デスクから編集長に昇格した)が韓国でこんなサイトを見つける。ウチのコンテンツをほとんど韓国語に訳して掲載している。当然無断。結構気合いが入っているので、きちんとお金払ってやってくれないなかな。似たような所ではこういうサイトもあった。こっちは「今週見つけた新製品」のコーナーだけを韓国語に訳している。これって、全部自分で訳しているのかな?それとも翻訳ソフトに通しただけなんだろうか。

▼今日の本「『A』撮影日誌」森達也
 オウム真理教に対する強制捜査からまだ間もない頃。オウムに対して真っ正面からドキュメンタリーを撮らしてくれと言ったら、果たして彼らは許可してくれただろうか? 普通は絶対にムリと考えるだろう。だが、著者であるTVディレクター・森は、彼が普段からドキュメンタリーを撮るときのように当たり前にオウムに手紙を書き、許可を求めた。そしてオウムの広報部長・荒木はそれを許した。そこから2年以上を経て完成したフィルムは「A」と名付けられた。

 このフィルムに移っているもの。信者に詰め寄る取材陣。立ち並ぶ警官。ヘッドギアをかぶる信者。怒鳴り声を上げるTVカメラマン。自から転び信者を公務執行妨害で逮捕する公安。家族を否定しながら家族を心配する信者。記者クラブの既得権にかじりつく新聞記者。オウムに人権はないとののしる通行人。歓談する信者たち。残念ながら私は「A」を未見なため、ここに上げた例はほんの一部に過ぎないだろう。

 そしておそらくそのフィルムには映っていないものもある。オウム信者と警察とマスコミの後ろから、または中からカメラを回し続けた森自身が、常に感じ続けた違和感だ。その違和感は、何となくは理解できる。しかし、詳しく説明しろと言われると難しい。かろうじてキーワードにすると「民主主義」「人権」「法律」「日本の民度」「個人の価値観」などと、安っぽい言葉が並んでしまう。だが、これが現実なのだろう。

 残念ながら、現時点では「A」を簡単には見ることは出来ない。表のメディアではけっして流れず、たまに各地で細々と行われる上映会を待つしかない。だけど、これが表のメディアで見られるようになったとき、その違和感が多少なりとも減っていることが期待できるのではないか。そんなかすかな希望が、絶望の中にかいま見える本だ。


第139話 2000/8/29(火)

▼あっ、また日記書くの忘れていた(笑)。気を抜くとあっという間に1週間くらい経っているなぁ。

▼ZAKZAKから「元ジャンプ編集長が集英社に辞表、独立
 新潮社が創刊するというマンガ雑誌は、元ジャンプ編集長が作るマンガプロダクションに丸投げらしい。

▼とりあえず1週間で読んだ本。
 宮崎哲弥「新世紀の美徳」 宮崎がブッディストを自認する理由がよく判った。宮台の言う物語の解体が、仏教で言う解脱なのね。物語なき時代への覚悟ってのも、仏教の無常観に例えると判りやすい。大筋で同意、細部に違和感。

 横田睦「お骨のゆくえ」 いかにも宝島っぽい本だけど、平凡社新書。読みやすいのはいいけど、文体が砕け過ぎなのがちょっと気になる。宮崎の本を読んだ直後だからかも知れないけど、物語なき時代の埋葬についての考察が全くないのが物足りない。

 仕事が始まってからちょっとペース落ち気味。1週間もだらけると、なかなか体のペースが戻らない。


第138話 2000/8/22(火)

▼昨日の部屋掃除で、小説やらマンガやらを上に上げたり下に降ろしたりで、ベッド脇に積んでいる本の顔ぶれが一新。目新しさも手伝って、明け方までいろいろと読みふける。蔵書数はおそらく2000冊は大きく越えていると思われ、さすがに最近は一度読んだきりの本が多い。唐沢俊一氏が著書で、人間が自分の頭だけで管理できるのは3000冊が限度と書いていたが、確かにそろそろ覚えきれなくなりつつある。文庫のダブりなんかはまだしも、最近は冬目景のコミックスが巻によっては3冊もあったりするのは重傷かも。まぁ、冬目景に関してはコレクターに徹することを決めているので初版を探求したり、スコラ版とソニー版を両方揃えたりしているせいもあるんだけど。

▼他に全著作を集めようとしている漫画家は、いしかわじゅん氏と とりみき氏の2人。とりさんは2〜3ヶ月に1冊は新刊や復刊が行われているので、割と集めやすいし過去の作品も読みやすいが、困ったのがいしかわさん。この人のマンガは年に1冊でれば万々歳で、更に新作と言ったらここ最近は「ださる」の4コマくらいしか書籍になっていない。コレでも大友克洋なんかとともにニューウェーブと担がれた人なんだから。と言いつつも、東京物語の欠けていた巻はご本人からサイン入りでもらっているんだから贅沢は言えない。そういえば思い出したけど、この2人とも大学の先輩だったりする。年は全然違うんだけどね。

▼仮眠のつもりが気が付いたら午後4時、あわてて着替えて新宿・ロフトプラスワンに直行。この前の斉藤環氏の「戦闘美少女VS引きこもり」に較べると、ずいぶんと空いており、7割程度の入り。席について生ジョッキとフライドポテトを頼んで、とりあえずの腹ごしらえ。7時を過ぎた頃にM原も到着。M原と一緒にステージ前に座っているスーツ姿の人を見つけ、「あの人、よく見るよね」と話していたら、どうやら日記の記述からするとその人がタニグチリウイチさんだったみたい。

 この日のお題は唐沢議長と作家・久美沙織女史による「もう一度だけ新人賞の獲り方教えます」。実は久美さんの著者は、このイベントの元になった徳間書店の文庫しか読んだことがなく、またその文庫も唐沢議長の解説が目当てだったりして、全くの不勉強。ちょろっと検索してみたところ、コバルト系で書いていた方と言うのは判ったが、この日のお話ではどうやら星雲賞にもノミネートされたことのあるSFな方とお見受けする。と言いつつも、今年の星雲賞はピニェルの振り子しか知らないウスウスなヤツで申し訳ないんですが。

 トークは開始早々、物書きとは小説家とは雑文書きとはと言った、心構えから生活からしての貴重な発言のオンパレード。あとはこんなところじゃないと聞けない他の作家さんの悪口が少々。久美さんが、小説家なんて、あとは詐欺師くらいしか職がない大うそつき、とかませば、議長は雑文書きはどんなものでも面白がれるような酔狂モン、と返す。おおざっぱに言ってしまうと、物書きに必要なのは自己顕示欲じゃなくて、そんな物をいとも簡単に排除できるほどの技術、ってトコに興味津々。と言った感じで、まじめな技術論がメインだったんだけど、自分なんか要らないとあっさりと言ってのけるのが、やはりこの年代のオモロイところ。議長も久美さんも同年代だけあって、根っこのところはよく似ている。

 9時半も回った辺りで、一旦休憩。著書販売兼サイン会となったんだが、持ち金が心ともなく残念ながらあきらめる。ちょっと食い過ぎたな。M原がそろそろ終電やばいんで帰ると言いだし、9時過ぎで終電ヤバイとはどんな田舎だ新座は(笑)、と思いつつも自分も明日から仕事なのを思い出して一緒に退席。桂花ラーメンで太肉麺(ターローメン)を食べて、帰宅。


第137話 2000/8/21(月)

▼ボーっと夏休みを過ごし、気が付くと残すところあと一日。したことと言ったら、古本屋行って、ラーメン食って、メール書いて、麻雀して、本を読んで、部屋の掃除ってな具合。あーあ。

▼今日の本・大崎善生「聖の青春
 命を懸けて将棋を指す。この言葉が比喩でも冗談でもない棋士が実在した。しかも、この平成の世に。村山聖は腎臓の病を抱えながらプロの将棋打ちになり、天才・羽生善治の最大のライバルと目された。この本は彼がガンの為に29歳で亡くなるまで、本当に命を削りながら棋士として打ち続けた記録である。
 年の離れた兄のあとにくっついて遊び回る人なつっこい子が、高熱を出したのは3歳の時。診療所の誤診などもあり、腎ネフローゼの診断がなされたときには既に5歳になっていた。この遅れが少年から平凡な日常生活を奪った。入院生活で将棋と出会ったのは、せめてもの代償だったのかも知れない。聖がプロ棋士を志した時、師として出会った森信雄もまた、特異なキャラクターだ。病で動けない弟子のために、少女マンガを探して書店をさまよい歩く。これだけでも一般的な棋士のイメージを大きく覆すが、それ以外にもエピソードには事欠かず、彼と聖のコンビはまるでコントを見ているかのようだ。
 プロ棋士となってからの聖は、自分の体とも戦い続けた。わずかな不摂生が、あっという間に体を蝕み、将棋を打つことすら困難にする。それでも彼は、這うように会場に向かい、最後まで将棋を指しきった。聖の目標であった谷川浩司と羽生善治。彼らを追いつめながらも、ままならぬ体調によってチャンスは逃げる。もし、聖が健康体だったらとも思うが、将棋に命を懸ける姿勢と集中力は、病を抱える身だったからこそかもしれない。入院を余儀なくされ、7回の不戦敗を記録しているが、勝負の途中でリタイヤしたことは一度もなく、病院から脱走して大勝負に挑んだこともある。
 なにより惜しいのは、その才能ではなく、周りの人間に愛された彼自身だ。彼の将棋に対する姿勢は、見ず知らずの人間にも手を貸さずにはいられなくする。この本から伝わってくるのは、将棋の怪童・村山聖の凄さではなく、愛嬌ある物静かな、だが頑固でどん欲な一人の人間への、周りの人達の愛情である。


第136話 2000/8/16(水)

▼O友さんから麻雀のお誘いがある。夜中からと言うので、日中はひたすら本読み。

▼午後9時過ぎにO友さんとN田さんが車でお迎え。そのままD橋さんの家へ向かう。このD橋さん、初対面なのだが中学の先輩らしい。相変わらずOさんの交友関係は謎が多い。麻雀は、1戦目は半年ぶりの麻雀を思い出しながら打っている内にビリ。2戦目は東1局1本場の数巡目でOさんが小四喜を上がる。振り込んだのはDさん。ラスの3戦目は、みんな気合いが入り、競技麻雀のようなペースで進む。この日は引きが悪く、リーチで競り負け、一度もツモ上がれず、トータルで一人負け。


第135話 2000/8/15(火)

▼日中はひたすら本読み、飽きたらウェブを眺めたりメール書き。ああ気持ちよい。いつになったら、こういう生活を続けることが出来るのだろう。

▼夜中にM原宅へ定期便。体調を崩したらしく、かなりへばった様子。ノンビリとダベるが、ノリも悪い。よほど体がつらいのか、と思いつつ3時過ぎまで居座ってしまった。

▼帰宅してからウェブをのぞくとbk1が復活している。とりあえず買い物かごにたまっていた本を発注。自分の発注履歴を眺めている内に「猫の地球儀・幽の章」の書評が採用されているのに気が付く。登録してから5日経ってもアップされていなかったので、てっきりボツになったものと思っていたが、単純に遅れていただけだった様子。ともかくこれで600ポイントゲット。


第134話 2000/8/14(月)

▼金曜日からこっち、半分くらい気を失いながら仕事をしていた気がする。とりあえず今日からは夏休み。なにもせずに本を読みふける予定。読む本だけはいくらでもあるのだ。昨日も仕事帰り、いろいろと買い込んでしまった。

▼ホントは伊豆あたりで昼は素潜り、夜は温泉と読書としゃれ込みたかったが、一人で行ってもツマランし、今からじゃ宿も取れないのでおじゃんに。

▼野尻抱介「ピニェルの振り子」を読了。あちこちで話題になっていたが、期待に違わず面白い。19世紀の博物学が隆盛するヨーロッパの雰囲気を宇宙に持ち込み、ビーグル号航海記を思わせる冒険と発見の日々。その雰囲気を作品に持ち込む手法が、多少、卑怯に思えなくもないが、それ自身も次回作への期待に繋がっている。bk1が夏休み中なので詳しい書評はまた今度。


第133話 2000/8/10(木)

▼起きたとたん、めまいに襲われ布団に倒れる。午後から出勤するつもりで横になっているが、結局回復せず、夕方になってから休みの連絡。風邪ではないので、夏バテだとは思うが、実は夏バテって生まれて初めてかも。

▼こういう日に限っていろいろと情報が入ってくるもので、顔を出す予定だったショップから新製品に関するメール。ありがたし。ホントはこの目で見たかったけど。

▼とにかく一日中寝る。寝飽きたら、たまった本の消化。とりあえず2冊読了。しかし、残りは20冊以上、先は長い。

▼ちょっと思ったこと。谷川岳の鉄砲水での事故。どのメディアも、なんだか奥歯に物が挟まった様な物言い。30年前なら「自然は危険だ」論調を元に、で護岸工事の公共事業の口実になったが、今ではそれも無理。今なら、地元と都会のコミュニケーションの断絶となるのだが、みんなホントは「自然の中では、そこに出かけて死んだヤツがバカ」と言いたくて仕方がなさそう。自己責任のホントの意味ってそういうことでしょ。てことで、最後にワタシの一番好きな言葉を。

「無知は罪」

そう、だから人類は皆、罪人なのだ(ああ、なんか宗教チックになっちった)。


第132話 2000/8/9(水)

▼まったく眠気に誘われず、結局一睡もせずに出勤。マーケットの記事とマップがらみ作業をタラタラ。ついでにiモード用のロゴもいくつか。

▼ちくま新書で「科学技術と現代政治」(佐々木力)を読む。大ハズレ。書評を書く気も起きないのでただの悪口として、これを書いておく。これはbk1の科学書の棚で書評が上がおり、レビュアーも誉めていたので買ったもの。書評によると「安易な科学技術至上主義への批判にとどまらず、新しい社会システムの必要を説く」とあったので、かなり期待をしていたのだが、なに、只の左翼でした。新しい社会システムというのもマルクス主義革命のこと。内容をまとめると「現存する民主主義を否定し、あり得ない民主主義を肯定し、過去の共産主義を否定しない」と言った論調。詳しく書く気も失せたので以上で終了。だってねぇ、2000年に書かれた文章で「同志」「兄弟」「連帯」「進歩」の連呼ですから。
 それにしてもbl1のレビュアーの彦坂暁氏は本気でこれを進める気か? これを人に勧めた日には「アカ」のレッテルを貼られることは間違いなし。あ〜、時間と金を損した。


第131話 2000/8/8(火)

▼一日中寝ている。いくら寝ても寝足りない。どうやらただの夏バテだったらしい。

▼御巣高山の日航機墜落事故のボイスレコーダが公開。TBSの夕方のニュースで見たが、あらゆる手を尽くしながら、全てがダメになっていく機体に対して機長の「もうダメかもしれん」との声と、テープ最後の破壊音に何も言えなくなる。VTR明け、男性キャスターが涙をにじませ、声を詰まらせていたのが全てを物語っている。直後に、運輸省が日航機事故の関連資料を全て廃棄していたとの報道。会見する運輸事務次官が、始終、薄ら笑いを浮かべていた。これもコミュニケーション・スキルの問題なのか。

▼ネタがないんでCBS Evening Newsから「The 21st Century Soldier's World」。
 ウェアラブルPCを標準装備し、ライフルの先端に付いたカメラの照準とリンクし、GPSデータで現在地をスーパーインポーズで表示するヘッドマウントディスプレイを備える、21世紀の兵士の装備。アメリカ軍の実験の様子をムービーで流している。ネットワーク機能に関しては触れられていなかった。この状態だと、まだ「装備」と言う感じだが、体内に内蔵してネットワークに接続できれば、まさに「攻殻機動隊」の世界だ。


第130話 2000/8/7(月)

▼昨晩は午前2時に布団に入り、目を覚ますと午後2時。12時間睡眠でも疲れがとれた気がしないのは何故?

▼晩飯を食ったあと、M原宅へ定期便。着くやいなや、そのままブックセンター伊藤・小平店へ出向き、二人併せて30冊ほどマンガを買い込む。M原は「MAJOR」の欠けた巻が揃ってうれしそう。「寿くん×ゴローちゃん」の関係がよほど好きらしい(笑)。

▼M原宅で、この間の「今、そこにいる僕・4巻」と「アルナーチャラム・踊るスーパースター」の鑑賞会。「今僕」は、違った意味でイタいアニメだ。通常なら物語を押し進めるはずの主人公の無根拠な自信が、見事に現実的な無意味さを露呈し、物語を崩壊させている。まさに宮崎アニメへのアンチテーゼなのだが、この大風呂敷を残り2話でどうやってまとめるのだろうか?
 「アルナーチャラム」は、これまた対照的に物語の固まり。過剰なまでに主人公をもり立てるガジェットのオンパレード。映画のフォーマットは、80年代のジャッキー・チェンの映画がそのまま。格闘シーンでの効果音、割れまくるガラス、ワイヤーアクションでくるくる回るやられ役等々、ゴールデンハーベスト社を初めとする香港映画から受け継いだもの。また、要所々々の、誰にでも分かる演出は、60年代の日本の青春映画を思い起こさせる。加山雄三の若大将シリーズなどがそのまんまで、田中邦衛の青大将に相当する道化役まできちんといる。その演出自身も、同時期のアメリカの映画やテレビのホームドラマからの影響なのだが、微妙にアジア的なバイアスが掛かっているのが、また愉快。


第129話 2000/8/6(日)

▼昨晩から徹夜で編集作業。集中してしまえば体調はさほど気にならず、午前7時まで掛かって一気に暫定版をアップする。今日は他のスタッフの手が早そうなので、こちらもこのまま仮眠に入らず完成版の作業にはいる。さすがに集中力が続かず、途中で飽きてメールを読んだり、書いたり。

▼午前10時にテキストを書き上げて、Iデスクに提出。そのまま仮眠をとる。午後2時過ぎに目を覚ましてから、ここ2週間くらいほったらかしになっていたマップのメンテ。ああ、改めて見直すと粗が目立つなぁ。早いところ作り直さないと。


第128話 2000/8/5(土)

▼週に何度行っているか分からないが、今日も秋葉原通い。にしても、暑すぎる。バッグにポカリスエットのボトルを突っ込んで、水分を補給しながら歩き回るが、途中で目眩と胃痙攣でダウンしかける。3年以上やってきたが、今日が一番つらい。天候のせいか、ただ体力が落ちているせいか。

▼さすがにお盆前は新製品も少ない。こういう日は楽で良いハズが、体調不良で帳消しに。お盆が近いからか、暑いせいか、人でも普段の週末に較べ少な目。特に、オタク系ファッションの目撃例が少ない気がする。よく見るパターンは、高校生か大学生の数人のグループで、一人二人詳しいヤツがいて、初心者がそいつに聞きながらパーツを買い集めている。ああ、そうやって食い物にされているんだよ。

▼ボロボロの状態で編集部に戻る。取材データと写真だけ整理したら、1時間ほど机に突っ伏す。とてもじゃないが体が持たん。やっとられんわ、ほんま。

▼なんか、本気で嫌がっているみたいなんで、今日はリンクを貼るのをやめておく。でも、昨日までのリンクはそのまま(笑)。

▼どうやら先週の編集後記は森山さんには気づいて貰えなかった様子。やっぱりリンク張らないとダメかな? もったいないんで以下に再掲。

bk1利用日記■

●7月11日
 午前4時頃に帰宅。メールやウェブをチェックしていて、そういえばbk1が今日からオープンしているはず、とアクセス。ざっと眺めるが売りのハズの本棚が、どうも一覧性が悪く、「棚」として見る気が失せる。例えば、小説で英米文学までたどるのに、普通にリンクをたどっていくと3回のクリックが必要になる。そこまで来るとようやく10冊分のデータが見られるが、どうやら単純に著者名で50音順にソートしただけのデータが列挙されている。ただでさえ反応の重いデータベース型のサイトで、それ以上たどる気がなくなりトップページへ戻る。
 もう一つの売りのハズのコラムを読もうとしたが、トップからリンクの張られていた山形浩生さんと田口ランディさん以外は、どこに誰のがあるのか判然とせず、むやみに重いサイトをクリックして廻るハメに。時間も時間で眠いこともあって、それ以上はあきらめて、とりあえずブックカバー目当てに「有限と微小のパン」(森博嗣)だけ注文することにした。
 著者名で検索をかけると、ズラリと出てくる。ところが今度は書名で50音順にソートがかけられている。BookWebの検索システムに慣れているせいかもしれないが、書籍は発行日でソートして欲しいものだ。ソート順は好みの問題かも知れないが、検索時にソートのオプションが選べないのは検索エンジンとしては致命的な欠陥だ。
 目標の本を見つけて買い物かごに入れ最後の注文確認ページにたどり着いたが、カード会社の表示が自分のカード異なっており、登録を間違えたと思って最初からやり直すが、表示は間違ったまま。質問のメールを送ろうと思ったが、めんどくさいし、間違っていてもどうせ認証ではじかれるだけなので、そのまま注文をする(この件に関しては、後から注が付け足されたが、テストの時に誰も気が付かなかったのか?)。2〜3日以内出荷となっていたが、さて実際はどうなる。

●7月13日
 朝起きてメールチェックすると、発送処理をした旨の連絡が来ていた。ホントに丸2日で発送された。偉い。そのまま出勤し、夜中に帰宅するときちんと届いてた。まだユーザー数が少ないからかも知れないが、発送は紀伊国屋より断然早い。
 一緒に届いたブックカバーは、一見さげな感じ。が、ウェブに載っていたサンプル写真とは、ストラップを止める穴の位置が上下逆になっている。その穴も、ブックカバー本体の縁からちょっと離れ気味で、ストラップを着けるのに一苦労(いや二苦労ぐらいか)。ストラップそのものも長さが短く輪が小さいためクビに掛けづらい。それにカバーを閉じるためのマジックテープの位置が悪く、厚い文庫には使用しづらい。等々、かなりダメダメかも。タダでもらったものに文句を言うのも大人げないが、デザインが気に入っているだけに残念。

●7月21日
 ある新刊を注文しようとBookWebにアクセスしたが、そういえばbk1もあったなと思い出して、そちらへ。ところが、目的の本がデータベースに未登録で発注できず。数日前まで予約を受け付けていたはずなのに、どうなってんの?という気分。そのほかにもいろいろと新しめの本を検索してみるが、未登録の本が結構な割合であった。
 データベースはオンラインショップの命のハズだし、特に時事性が強い書籍でこれは致命的。有名人に金出してコラム書かせるよりも、バイト雇ってとにかくガンガン入力させる方が先じゃないのか。とにかく目的の本に関しては、紀伊国屋で注文してしまった。
 もう1つ気になったのは、検索結果の表示が10冊単位で、しかも表示ページが無駄に縦に長い。そのためかページあたりの情報量が、やたらと少なく見えてしまう。これじゃ、本屋で眺めている気分からはほど遠い。表紙のサムネイル画像が入っているので、ページあたりの容量が増える事を考慮しているのかも知れないが、いちいち次のページをクリックするくらいなら一つのページが重い方がマシ。
 それと、サーバのレスポンス悪すぎ。http://www.playstation.com/http://121ware.com/の時もそうだったが、どうして負荷の掛かることが判っているサイトでダイナミックなページにするかなぁ。もしかしてWebサーバの負荷をなめてる?


第127話 2000/8/4(金)

 本日も秋葉原回りに直行。今週あたりからそろそろお盆休みに入る代理店もあったりして、新製品はほとんどないと思っていると、例年飛び込みでとんでもない物が入ってきたりする。今日も突然、Pentium III 1GHzのFC-PGA版が入荷していたりするし。コイツはまだまだ発売は先のハズで、具体的な日程はゴニョゴニョゴニョ(NDAで資料もらっているんでまだ秘密)。

 結局、今日はゴチャゴチャと雑用している内に終電に。気が付いたら最近気になっているIさんはとっくにお帰りに。そういやちゃんと話したこと無いなぁ。どうもあの人が座っている島は、敷居が高い。近くによると睨まれている気もするし。YさんとS君とかと話している分には、気軽なんだけどね。

 おとといの日記でなんだかんだと言いながら、すっかり昨日は忘れ去っていた「アルナーチャラム・踊るスーパースター」を購入。他にもこれとか、これも一緒に購入。とりあえず、さわりだけでもとアルナーチャラムのさわりだけを見てみる。さすがインド映画、見る人間を飽きさせまいとこれでもかとサービスの嵐。げっぷが出そうなほどお腹一杯です。全作「ムトゥ・踊るマハラジャ」は渋谷の単館上映でミニシアターが一杯になったと言うけど、本気で最後まで見通せた人間が何人いることか。伊達や酔狂じゃないと見てらんない代物だ。

●今日の小説 「猫の地球儀・幽の章」秋山瑞人
 君には夢があるとしよう。えっ?、そんなもん無いなんて無下に言わないでさ、何かあるでしょ? ビル・ゲイツになりたいとかイチローになりたいなんて大げさでなくても、あれが食べたいとか、ゲームをしたいとか、彼女と付き合いたいとか。そんなもんでも良いのさ、夢なんて。
 ついでじゃないが、君には力もある。その夢を現実にするだけの才能があるとしよう。もちろん、努力も必要だ。飯も食わず夜も寝ず、なんて言うと大げさだけど、時には昼飯を食い損ねたり、一日二日は徹夜をしたかもしれない。君はそれに打ち込んで、とうとう実現可能な所にまでこぎ着けた。

 でも、そこでハタと気が付いた。君が夢を実現するためには、そこで誰かの夢を壊していやしないかと。君があれを食べたために誰かが食べられなくなったり、君と付き合ったために彼女にフラれた誰かがいるんじゃないかと。
 君の夢と、他の誰かの夢。どっちの方が価値がある? それに、どうやってその価値を決める? 古くからあるとか、多くの人が共感できるとか、みんなの為になるとか、それ無しでは生きていけない人がいるとか。君だけでなく、いろんな人がいろんな事を言い出すに違いない。でも、考えれば考えるほど、どれもが誰かにとって大切だってわかってしまい、どれかになんて決められないよね。

 この本は、そういったお話し。本当は、もっと切なくて、悲しくて、腹立たしくて、泣きたくなるような物語なんだけど。

 そうそう、最後になったけど一つだけ方法があるかも知れない。それは、みんなが夢を持たなければいいのさ。でも、焔(ほむら)にはこの方法は選んで欲しくないな。僕が選んだみたいにはさ。


第126話 2000/8/3(木)

 今朝方、昨日書いた「猫の地球儀」の書評をbk1に登録してみる。読者書評の詳細を見ると、一件採用ごとに300ポイント貰えるとあり、それに引かれての所業。読んだ本を必ず書評すれば、300円のキャッシュバックと考えれば、スゴイお得な気がする。登録時に、採用の場合は5日以内に登録されるとあるけど、取材から帰ってきてかのぞいてみると、すでに公開されていた。SFなら他にいくらでも読んでいる人がいると思ったら、この本に関しては読者書評はワタシが第1号みたい。別に胸を張るほどのモンでもないが、タニグチリウイチさんの書評と並んでいると、さすがに恥ずかしいな。とりあえず300ポイントゲット。

 取材っつっても、いつもの秋葉原のショップ巡りで、木曜日は馴染みに店員さんたちがお休みのことが多いので、さして収穫はなし。T店で聞いたメルコのMPEG2カードも、秘密って言われた割にはとっくにリリースが出ているし。ようやく、まともなハードウェアでMPEG2エンコードが出来る製品が出てくるのは歓迎だけど、やっぱり気になるのはソフト。NECのSmartVisionみたく、予約録画やタイムシフトが出来るんなら大歓迎だけど、広報の話しぶりだとちょっとダメかも。やっぱN社のUSB版を待つしかないね。

 PCでDVDが自由に操れるのはうれしいけど、世界的には怪しい雰囲気がドロドロと。早速、こんなツールを作ってしまう連中もいるし、そのうち映画業界はユーザーからPCを取り上げろなんて言い出しかねないかも。そうでなくても家庭からPCを排除しようという風潮がアメリカでは出始めているのに、ようやく家庭にPCが入り始めた日本は、まだまだ蚊帳の外。他山の石とするならまだしも、頭の悪い不正アクセス防止法とか、しょーもないハッカーで騒いでいるテレビとかしかない状態では、おたおた騒いで「早急な対策が望まれます」なんて当たり前のコメントを小島奈津子が「めざましテレビ」で喋るのが目に見えている。必要なのは早急な対策ではなく、長い目で見た理科教育でしょ。科学のブラックボックス化が叫ばれて久しいけど、科学の側でもこういう森山さんのメールニュースみたいな啓蒙活動をしているんだから、大人がきちんと食いついてこないのはみんな頭が悪いから、といっちゃうのはやっぱり理系人間の傲慢なんでしょうか?

P.S M原へ。「ナースエンジェルりり子」ではなく「ナースエンジェルリリカSOS」です。


第125話 2000/8/2(水)

 いろいろとメールを書いているウチに今朝も寝たのは午前7時。12時頃に轟音で目を覚ますと、外はバケツをひっくり返したような豪雨。あわてて家中の窓を閉めて回る。安心するとまた眠くなって2時まで一寝入り。今度は気が狂いそうな晴天になっているのを確認して、家中の窓を開け放って会社に向かう。

 仕事で秋葉原へ行ったついで(?)に石丸ソフトワンへ寄ると、「ムトゥ・踊るマハラジャ」に主演した、ラジニカーントの最新作「アルナーチャラム・踊るスーパースター」のDVDが出ていた。通常版の他にスペシャルパッケージまであり、お香やシナリオやらいろいろと付いてくるらしい。ものスゴ〜ク引かれるんだが、とりあえず今日は買うのをやめておいた。けど、今日記を書いていてやっぱり欲しくなってきたんで明日買うことにすでに決定。

 会社に着くと、Iデスクが休みなので一気に今日の予定が空いてしまう。隣でS木さんはOSとHDDの入れ替えを始めたら大ハマりをぶっこいてマシン全部をリプレイスしていたり、後ろではソニーのHDDビデオレコーダでF川さんとF津さんがラブひなを録画して遊んでいたり、ニュースがないんでみんな暇をもてあまして遊んでいる。

 いじくり回していたのはソニーのClip-On SVR-715で、8月20日発売なんだけど何でか編集部に置いてあるのは、ひとえにパワレポのT川副編集長の趣味の為せる技で、よくもソニーの家電部門にコンタクト出来たなぁ、と妙なとこ感心することしかり。にしてもソニーのHDDビデオレコーダはとんでもないデザイン。確かに単体で見るとカッコよくて、ヨーロッパのピュアオーディオかギガビットイーサのオプティカルハブかX68000にしか見えなくて、家庭内に絶対にそぐわないデザインだし、リモコンは考えすぎてとてつもなく使いにくいし、30GBも積んでいてもハイクオリティだと5時間しか録画できないしって、やっぱソニーの初物だけのことはある。けどやっぱりカッコイイよ〜、欲しいよ〜、誰か買ってよ〜。

●今日の小説 「猫の地球儀・焔の章」秋山瑞人
 地球にほど近い宇宙に浮かぶスペースコロニー。そこに暮らすのは人ではなく、宇宙人でもなく、電波で会話しロボットを操る猫たち。彼らは頭上に見える青い星を地球儀と呼び、死せる魂が向かう場所と信じている。
 その地球に生きたまま到達することを目指し、クレージーと呼ばれた猫たちがいる。迫害され、時には死に臨みながらも、あきらめることなく次へと希望を託し、今それを受け継いだ第37代スカイウォーカーの幽(かすか)という黒猫。一方で戦うことでしか自分を表現できない者たちがいる。リモートコントロールするロボットと、己の肉体で戦う「スパイラルダイバー」。そこでチャンピオンにまで上り詰めた白猫・焔(ほむら)は、自らの人気や特権のための戦いを否定し、彼もまたクレージーと呼ばれる。
 世間に自分の居場所がないことを知っている彼らは、互いに目指すモノを理解し合え、だからこそ幽は焔を利用しようとし、焔は幽を激しく拒絶する。確かに最初の出会いが悪すぎた。しかし、あれ以外の出会い方もあり得ないと思わされてしまう。要素だけを並べると、何とも殺伐とした作品に見えるかも知れないが、それを補ってあまりある幼い三毛猫である楽(かぐら)の存在。時には作品すら壊しかねない行動をとる楽が、ただの狂言回しではもったいない。
 「猫の地球儀」2部作の前編となるこの本では、彼ら3匹の猫の出会いと因縁が語られる。まだ物語は序章だが、スピード感あふれる戦闘シーンと、猫好きでなくても頬がゆるんでしまう猫の描写が、ページをめくる手を止めさせない。クレージーな彼らが、猫の社会にもたらすのは、果たして革新なのか、それとも新たな混乱なのだろうか。どちらであれ彼らの真剣さが、とてもうらやましく思えて仕方がない。


第124話 2000/8/1(火)

 今朝は明け方までウダウダと「ガラスの仮面」を読んだり、日記を書いたりしていたため、昼過ぎまで爆睡。結局、1時過ぎにM原の電話で起こされる事に。用件は、昨晩投げた斉藤環のトーキングライブへの参加に関して。面白そうの一言で行くことに決定。メールチェックしている内に5時になっていたので、あわててシャワー浴びて着替えて出立。池袋でリブロによっても、新刊は何も無し、雑誌も無し、ツマランことこの上なし。

 素直に新宿に向かって、東口に出て、アルタ横を抜けて、コマ劇に入って五木ひろしの公演を堪能、じゃなくてコマ劇のはす向かいのロフトプラスワンへ。入り口横のコンビニでM原と待ち合わせのハズだが、7時になっても来ないのTelすると、わずか10秒の違いですれ違ってコンビニから出て来やがる。いつの間に。さっさと会場にはいると、既に満員御礼で、危うくイスを逃すところ。立ち見も出そうな雰囲気。開演前に突然、DAICONフィルムが流される。そういえばこのフィルムこそ、戦闘美少女とそれに対する偏向的な愛情を自覚的に描いた最初のアニメーションだ。

 開始予定の7時30分を過ぎてもフィルムは終わる気配がないので、平野店長がビデオを止めて、今日の主役のご紹介。斉藤環さんは、唐沢議長が日記に書いていたのと違って、良い意味でオヤジ。今年で40歳で精神科医だけあって程良く渋い。こりゃ看護婦にもてそうだ。薬指には指輪が光っていただけに、失楽園にはご用心。そのほかは、おなじみ竹熊健太郎さんと、これまた一部でおなじみ伊藤剛さん、そして山形浩生を訴えたSF評論家の小谷真理さんといった、程良く濃い面子。開始早々、オタクの定義や、やおいとロリコンの歴史、個々のオタク史のカミングアウト等々、あつ〜い語りのオンパレード。基本的に「戦闘美少女の精神分析」の出版記念ということもあって、すでに東氏のウェブで行われているメール書評の続きになっていた。

 途中、斉藤さんの病院の後輩の精神科医、リリカSOS氏という飛び道具の登場で会場が沸く。これが今回のクライマックスだったかな。終了間際には今回の目的、東浩紀氏がようやく登場。斉藤さんに「今日は誉めてください」といわれて「良い本ですよ。ただね…」と言うあたりは、やはりひねくれているっていう感じ。あとこれは書くかどうか迷ったが、やっぱり書いておくと、伊藤さんはやっぱりオレの敵である。67年生まれということは今年で33歳だそうだが、30過ぎてあの言動は痛すぎる。周りの大人がきちんと叱ってあげないとダメだけど、叱ると飛び出しちゃうのでそれもダメか。

 芸人・竹熊さんがいたおかげか、イベントとしてはそれほど退屈しなかったけど、斉藤さんがビールの飲み過ぎでどんどん酔っぱらっていったり、自分の知識をひけらかすことしか興味がない伊藤君だったり、ただの怪しいオヤジだった永山さんとか、やっぱり何しに来たか判らない小谷さんだとか、見事のベクトルの散乱したイベントであった。締めの言葉で東氏が「アニメはあと5年はダメでしょう」と言ったのはタニグチさんもハッキリ書いているんで、言質を取ったと思ってもいいんだろうね。

 も一つ、大きな物語(イデオロギー)が崩壊して、それを小さな物語(イマジナリー)で補完するというのが世界的な流れと東氏が述べて、戦闘美少女は決して日本独自の創発現象ではないと言っていたが、日本と外国のオタク内外格差については「戦闘美少女の精神分析」を読んだら、もっと慎重な発言になってしかるべしだと思うんだが。で、オタクと非オタクの深くて長い溝というのは、その小さな物語を自覚的に選択したか、無自覚的に享受しているか、だと言うことにも気が付いていないようだ。早くその辺に気づいてね、東君。応援しているんだからさ。



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