■第200話 2000/11/21(火) ▼変な時間に寝て変な時間に起きる。すでに日は落ちているのが、ちょっと雑用をしに会社に顔を出す。F川さんに「会社好きですね」といわれるが、しょっちゅう会社に泊まっているヒトに言われたかぁないね。別に好きなのは会社じゃないしさ。 ▼「じゃじゃ馬グルーミングUP 26巻」と「からくりサーカス 15巻」を購入。ああ、じゃじゃ馬はもう少年マンガじゃねぇよな。おもしれえんだけどさ。感想は週刊でリアルタイムに読んでいたときと変わんないけどね。からくりは、この先どうなんだかサッパリ判んねぇよ。 ▼とりあえずCOMDEXで書いた原稿は、予想通りのアクセス数をゲット。まあ、タイトルに結構キャッチーなモノを付けたから、これくらいは行くよな。けれど、これ以上は行かないのも事実。というよりも問題は、オレ自身にこれ以上のアクセス数を稼ぐ気があるのかってこと。最近、とみにダメ社員です。
■第199話 2000/11/20(月) ▼ひたすら寝る。ぜってぇー寝る。起きたら渡米中の日記をまとめる。編集後記で全文掲載するつもりだったが、長すぎるのとちょっと会社の人間には見せられない内容なので、編集後記用は別に起こそう。アメリカ日記の文字数を数えたら12,000字強。原稿用紙30枚以上ってよ、仕事で書いた文章の何倍だよ(笑)。 ▼ついでにWebのデザインを一新。といってもトップページだけ。しかも、色を変えただけ。
■第198話 2000/11/19(日) ▼昨日からの作業を継続中。ペースがかなり悪く、最後の原稿をアップしたのが午後9時すぎ。ダメダメ。 ▼明らかに催眠のサイクルが狂っている。もともとかなりずれていたけど、今は一体いつ自分が眠くなるのか判らないありさま。まるで融合後のミギーの様だな。
■第197話 2000/11/18(土) ▼いつもの徹夜作業。最近、ちょっと手抜き気味かも。いろいろと考え直す時期かな。
■第196話 2000/11/17(金) ▼爆睡。ほとんど日が暮れかけてから出社する。最後のレポート記事を書き上げて、日本に居ない間に溜まっていた雑務をこなす。 ▼あ〜、時差ボケなのか、アメリカボケなのか、日常が非常にうっとうしい。「散れ、日本人ども」とか思ってしまう。
■第195話 2000/11/15〜16(水・木) 万死のアメリカ日記・タイムスリップ帰国編 ▼午前5時過ぎにホテルの正面玄関を出ると、外はまだ完全な夜。緯度で言えば、東京とほとんど変わらないので当然か。ちょうどタクシーが1台いたので、荷物を預けて乗り込み「AirPort please」。割と陽気なオヤジで、朝から気持ちがいい。アメリカ人てホント陽気やね。空港に着くと料金は8ドル弱。荷物を運んでくれたので、10ドル札を渡して「No change」と釣りは全てチップに渡す(本当はKeep changeといわないとね)。 ホテルからはわずか10分ほどで着いたので、チェックインカウンターはまだ店開きしおらず、20人ほどの行列。6時ちょうどに始まり、とりあえずチェックインすると、ここでシアトル-東京間の国際線のチケットも発行された。パスポートのチェックもされたが、入国に較べて出国手続きはかなり簡単に済まされる。しかし、英語に慣れたつもりでも、突然長文で質問されるとしどろもどろ。アメリカ出国時のお約束の質問なんだが、思わず「Pardon?」と聞き返すと、何カ国語かがプリントされた質問用紙を見せられる。 搭乗開始まで30分ほど余裕があったので、朝食兼夜食兼夕食というか一昨日の深夜以来の食事をとろうとスターバックスでエスプレッソとシナモンスコーンを注文。スタバというとドリンクサイズがMedium/Tall/Largeと3つあるが、こちらのスタバはTall/Large/Grandeと一つ上にずれている。スコーンも1.5倍くらいあるし、最後の最後までアメリカの食事には負け続けた。 腹に収めて出発ロビーに向かうと、ここにまでスロットが置いてある。そういえば、結局一度もやっていなかったのを思い出して、ポケットに入っていた残りのQuarterを10枚ばかりスロットに流し込み、最後の運試し。ハイ、ダメでした。 帰りはラスベガスからシアトルへ行き、そこで成田行きへと乗り換える。ベガス-シアトル間はAlaska Airlinesというイカした名前の航空会社。そのまま北極圏へ連れて行かれそうだが、北米ではかなりメジャーなトコらしい。少なくとも行きで乗ったAmerica Westよりは、飛行機もサービスも上だ。この便は、今回の旅で唯一の窓際の席で、上から見るネバダの大地に圧倒され、一睡もせずに景色を見続ける。地図で見ると判るとおり、ラスベガスからシアトルへの経路は、ちょうどロッキー山脈沿いに北上するので、窓の外の景色は見事に山々山。しかしこれがスゴイ。岩山が雨水で削られて、あと何千年、何万年かすればグランドキャニオンのようになりそうな風景。そして遠くには冠雪するロッキーの頂。写真に撮るのももったいなかった。初めてアメリカを尊敬したかも。 シアトルに着くと午前10時の少し前。ここは基本的に国際線は乗り換えがメインなので、空港のロビー自体は規模が小さい。しかし、ターミナル間を小さな地下鉄で移動するため、わかりにくく難儀する。フラフラしながらノースウェストの出発ロビーにたどり着いたが、出発の12時35分までやたらと時間が余っており空港内を探検しにいく。到着ロビーに引き返して空港の外へ出てみる。さすがに郊外あるようで、見える範囲に市街地らしき陰はない。バスやタクシーは出ているが、さすがに2時間程度の空き時間じゃ、ちょっと危険なので、周辺をうろうろして結局空港の建物を眺めるだけで終わる。 出発ロビーに戻って売店で頭の悪くなりそうな原色のジェリービーンズ(スマン、好物なんだ)を買って最後のドルを使い果たし、しばしロビーで読書をしながら時間を潰す。さすがに日本行きのロビーだけあって、待っているのは日本人ばかり。ちょっと離れたはす向かいに座っている、ラスベガスから一緒の新婚旅行のカップルが気になる。オレも年か? 搭乗が始まり乗り込むと、この日最初の国際便のためか機内はガラガラ。搭乗率は7割といった辺り。座った3人掛けのシートも真ん中が空席で、ゆっくりと座れる。並びに座っているのは見たところ40代くらいのアメリカ人のワーキングレディ。ずーっとノートに何かをメモっている。荷物を上に置くように頼まれたときは英語で受け答えしたが、フライト中、突然「日本語判りますか?」と訪ねられ、機内食のメニューの読み方を尋ねられる。オレの英語なんかより全然日本語が上手いでやがんの。 寝たり起きたりを繰り返しながら、機内で「銃・病原菌・鉄」の下巻を残り数十ページまで読み進めた頃に成田に到着。時間は16日(木)の午後5時半。15日(水)の朝一で向こうを出たはずなのに、丸二日過ぎている。当然とは言え、やっぱり損した気分だ。 今回は税関で荷物を開けられることなくパスし、JRで市ヶ谷の会社に向かう。編集部で帰国の報告をし、残りの原稿は明日書く旨を伝えてこの日は帰宅することに。有楽町線市ヶ谷駅から西武線直通に乗りまっすぐに地元駅に到着。駅前のコンビニでこの週発売されたマンガをチェックしてからバスに乗り込み、ようやく本当に帰宅の途。はぁ、疲れた。
■第194話 2000/11/14(水) 慚愧のアメリカ日記 ▼この日も起きると10時過ぎ。Yさんが部屋を出ていくのと入れ替わりに起き出す。ああ、年上かつ先輩かつライターの人より遅いなんて編集者大失格。シャワーを浴びる暇もなく、T氏と一緒にこの日はLVCCへタクシーで向かう。ところがLuxorの正面玄関はタクシー待ちの大行列。タクシーが来るペースも遅く、ちょいイライラ。しびれを切らして隣のMandaley Bayまで歩いていき、そこでタクシーを拾う。 まずは昨日周り損ねたLVCCのNorth Hallを巡る。こっちはネットワーク系のメーカーが多く、トレードショー的な色が濃い。こちらの守備範囲とはずれるので、ほとんど写真も撮らずSouth Hallや、個別に小さな会議室を借り切っているメーカーを回る。こういった個室を持っているところは大抵アポが必要なのだが、隙を見て潜り込んで写真をパチパチ。説明員に止められたら笑顔で謝って早々に退散するというのを繰り返す。ああ、オレもゲスだなぁ(笑)。 2時を回った頃にシャトルバスでSECCに移動。昨日周り損ねた部分や、再チェックしたいブースを回り、いくつか隠れブースを発見。こちらも隙を見て潜り込む(笑)。っていうか別に閉鎖されているわけじゃないんだが、妙に見つけにくいメーカーがあった。Abitお前だよ! 3時を回ってからプレスセンターへ行っても、用意された食事類は見事に空。ドリンクすら「Hot Water」しか残っていない。白湯を飲むくらいなら自腹でCokeを買わぁ、と自販機へ行くと10ドル札が使えずお預けをくらう。 目的の飲食を果たせずイライラしながら設置してあるPCでいくつかのメーカーのウェブをチェックする。一つ勘違いをしていたことが判明し、それが負担が軽くなることだったのでホッと胸をなで下ろす。しかし、やることがあるのでもう一度LVCCへ移動することになる。この時点でワタシの米滞在時間があと12時間余りしかないのだから、出来る限りのことをしておかなければ。 ところで、この辺りで実は最後にシャワーを浴びてから60時間(3昼夜)が経過。この間は、顔を洗ったのと歯を磨いてしかおらず、この時期のラスベガスは肌寒く乾燥しているとはいえ、多少汗も掻いておりそろそろ気になってくる。人間、60時間も風呂もシャワーも浴びずにいると、何よりケツが痒くなってくるということを学んだ(笑)。 5時までに、いくつか楽しいネタを拾うことができ、それなりに収穫はあった。この日はバスが混む前にと、5時ちょうどにHallを出て、バスに乗ってホテルに戻る。部屋へ戻るとすでにYさんが戻っており、ベッドで睡眠中。T氏がまだ戻ってこずネットワークが使えないので、とりあえず画像の整理から始める。 7時前にT氏が帰還。部屋には行って来るやいなや「服買いに行かない?」とのたまう。「いやさ、しゃがんだらジーンズ破けちゃってさ」と見ると股下がパックリと裂けている。すでに手持ちのドルは30ドルあまりしかなく、時間もあまりないので辞退して、作業を続ける。 この日も9時を過ぎる頃にGさんが来室。どうやらダブルの部屋に一人きりなので寂しいらしい。雑談をしながら原稿を書き進める。この日は日付が変わる頃に早々に退散し、食事はとらず。実はワタシはこの日、水分以外に固形物をまったく取っておらず、この頃空腹のピーク。密かにGさんが食事を切り出さないかと期待していたのに、当てがはずれる。仕方なく、非常食にカバンに入れていた「小梅ちゃん」(梅の飴)をなめて空腹を癒す。と、ここですでに丸3日シャワーを浴びていないのを思い出し、明日は午前7時に帰国の途につく予定なのでへたをすると100時間を超えてしまうため、あわててシャワーを浴びる。う〜、気持ちえぇ〜。 かりかりと頑張って、午前3時過ぎに原稿完成。本当はもう1本書く予定なのだが、時間がないので帰国してから仕上げることに。画像を含めて3MB近い原稿をメールで送って、その間に帰り荷物をパッキング。荷物といっても増えているのは会場で貰った資料だけだが、これがまた大量にある。紙だけで10キロ近い。なんとかカバンに詰め込んで、メールを送り終わると午前5時の少し前。とりあえず一息ついて、お世話になったYさんにお礼を述べ、寝ているT氏の耳元に呪文をささやいて、5時15分になってから部屋を出る。ここから先は翌日の日記へ。
■第193話 2000/11/13(月) 苦悶のアメリカ日記 ▼目を覚ますとすでに10時直前。Yさんはすでに身支度を済まし、出発準備完了。オイラもあわてて出る準備。おかげでシャワーを浴び損ねる。Yさんが部屋を出る直前、ようやくT氏も起き出す。昨晩は記事に手間取ったみたいで、ホントにご苦労様。とりあえず寝ぼけ眼のT氏が目を覚ましたのを確認してからオイラも会場に向かう。 私が主に担当するのは台湾勢や、細かいパーツ系が集中しているSands Expo and Convension Center(SECC)の方。すでにComputexで免疫が出来ていたので、あまり気にせずにガシガシと回り出す。最初に言ったマザーボードメーカーでいきなりパワレポのIさんと鉢合わせ。「ご苦労様」と挨拶を交わしつつ、パシャパシャと基板の写真を撮りまくる。Iさんは一眼レフをロストバゲッジしたカバンに入れていたそうで、慣れないデジカメで四苦八苦している。こればっかりは手伝いようがないし、機種が違うとデジカメって別物だからアドバイスもしにくいので黙ってみているできない。 気が付くとIさんとははぐれてしまい、一人でゲシゲシと取材を敢行。4時前には一通り終了したので、5時の閉場前に一度LVCCをのぞきに行くことにする。SECC前から出ているシャトルバスに乗り、10分ほどでLVCCに到着。早速South Hallに乗り込むと、目の前にMicrosoftやSonyやらのでっかいブースが立ち並んでおり、こちらはいかにもショーといった風情で華やか。仕事も忘れてブースを回り、いろいろとノベルティを集めまくる。 途中でいくつかマザーボードメーカーやチップセット野など自分の守備範囲のブースを見つけ、思い出したように仕事をする。あっという間に閉場の5時を回ってしまい、さすがに追い出しにかかられる。ホテルに戻ろうと外へ出るとそこはシャトルバス待ちの長蛇の列。泊まっているLuxorはルート5のバスで、どこがNo.5の列なのかすら薄暗いのも手伝ってよくわからない。同様の人は多いらしく、見当を付けた辺りに歩いていくと誰かが「Is it No.5 ?]と訪ねると「Five!」を列のあちこちから誰ともなく声が挙がる。こういうトコはカッコイイぞアメリカ人。 200人ほどの列の後ろについて待っていると、T氏もちょうど通りがかる。一緒に並んで待っていると、バスは結構なサイクルで巡回しており、思ったより回転が速い。主催者も混雑はよく判っているらしく、この辺は準備万端の様子。確かにアメリカ人を1時間も待たせようものなら暴動が起きるしね。 7時前にホテルに着いて、売店で水とメントスを買って部屋に戻り、落ち着く暇もなく画像の整理を開始。しばらくするとYさんも戻ってくる。たまに雑談も交えながら、皆揃ってガシガシと原稿書き。こちらの時間で日付が変わる頃にYさんが原稿アップし、同じホテルに泊まっているライターのGさんの所へ顔を出しに行く。1時頃に戻ってくると、一緒に飯を食うという話になり、こちらの部屋へ来てまとめてルームサービスを取ることになり、Gさんが来室。この時点で原稿が上がっていないのはワタシとGさんだけ。でもGさんとワタシじゃ原稿の質・重要度が比較にならないので、言い訳にもなりゃしない。YさんとGさんはステーキを、T氏はフライドチキン、ワタシはSouth Equater Burgerを注文。 30分ほどしてルームサービスが到着。運んできた口ひげを生やしたオヤジが、見事なドイツ訛りでまるで映画を見ているよう。なかなか陽気なオヤジで愉快であった。1時間ほど皆して食事をしながら雑談に。GさんとYさんの会話が、妙な漫才のようで楽しい。やっぱライターで飯が食える人って、どんな分野でも持っている世界がでかくて深い。特にGさんは守備範囲が重なることもあって、結構あこがれに近いモノを感じる。 飯を食っている間は当然、原稿も止まっているわけで、食い終わると再びバリバリと書き出す。実はイベントレポートを書くのは6月の台湾行き以来だったりするので、調子を取り戻すのに時間がかかる。そうでなくても、いろいろと詰め込みすぎになって、ネタを書いては消して書いては消してを繰り返し、なかなか形にならない。 午前4時前にGさんは自室に退散。午前5時過ぎに自分の原稿が完成。日本時間で10時を回っており、急いで送信。この日はついにシャワーを浴び損ね、6時頃にベッドにバタンキュー。
■第192話 2000/11/12(日) 歓喜のアメリカ日記 ▼物音で目を覚ますと12時少し前。YさんとT氏はすでに起きて身支度を始めている。こんなにゆっくり出来るのも今日限り。明日からは睡眠はおろか食事すらどうなるか判らない。外に出る準備をしてハウスキーピングを頼み、タクシーで会場に向かう。事前登録していたPressPassを受け取り、会場の写真を何枚か撮る。昨日よりはだいぶブースも組み上がりつつある。 会場の内にあるレストランで昼食を取る。馬鹿デカいハンバーガーのランチセットで、やたらと脂っこくてひねくれ回っているポテトが大量に付いてきた。これだけで普段の夕食分くらいはありそうだ。T氏はそれに加えてシーザーズサラダまで頼んでいる。味はどれもシンプルで、巧くはないがまずくもないってところ。食い終わるとさすがに腹一杯で、しばらく座ったままで雑談に。YさんとT氏は少し離れた席に座ったオッチャン二人が持っているKodakの一眼レフデジカメに目が釘付け。 腹もごちたところで、今度はもう一つの会場Sands Expo and Convension Center(SECC)へと向かう。こっちはLVCCに較べて小さなブースが集まっており、台湾系はほとんどがこちららしい。付いてとりあえず会場の全景を撮り、中に入るもこっちも設営の真っ最中。入り口に仁王立ちの警備員の目を気にしつつ、のぞき込むようにパチパチ撮影。この会場の裏手にはBenatian Hotelがそそり立っており、会場へは5分でアクセス可。ホントだったらこっちに泊まっていたのに直前になってキャンセルされてしまった。会場からホテルへと通じている通路脇には、新築マンション入居者募集中かと見まごうばかりのモデルルームがある。Luxorとは較べ物にならないくらいの豪華な部屋にしばし見とれる。 いくら眺めたって今更どうしようもないので、この辺でタクシーで一旦ホテルに戻る。部屋でT氏は事前レポートを書き上げ、Yさんは昼寝し、オイラはダラダラとウェブサーフィン。と、ここで日経BPの記事を眺めていると、この日のビル・ゲイツの基調講演はチケットがないと入れないらしいと書かれている。あわててComdexのオフィシャルサイトを見ても確認が取れず、とりあえず最悪の事態だけは避け粘らないので予定より1時間ほど早く会場に向かうことにする。そういえば基調講演前にメディア関係者だけ集めて主催者の挨拶を行い、出席者は基調講演に優先的に入場させるとの話があった。主催者挨拶は午後4時から、基調講演は午後7時から、現在すでに午後5時過ぎ、ヤベ。 T氏が事前レポートを編集部に送信し終わるとすぐに、Yさんを起こして徒歩ですぐ隣のMGM GRAND HTELに移動。隣と行ってもどう見積もっても直線距離で500メートル以上はありそう。いくら土地が余っているとは言え、限度があるぞアメリカ人。途中で駐車場に紛れ込んで行き止まりだったり、MGMの中に変なところから入って迷子になったりしながら会場付近にたどり着く。すでに入場待ちの行列が出来ていて、見ると皆、手にチケットを持っている。少々気が焦るが、係員がチケット欲しいヤツはあっちへ行けと叫んでいる方向へ小走りで急ぐ。 通路を抜け、エスカレータを駆け下り、ライオンの前を通り過ぎ(ホントに居るんだな、これが)、そろそろメディア向け説明会の会場へ近づいたかな?と思ったら、前を歩いていた女性を追い抜こうとしたら、その女性がこっちのPress Passを見た途端「チケットいるか?」と聞いてきた。見ると手に大量のチケットの束を抱えている。一体何者?といぶかしがるひまもおしいので「Yes!!」と答えて受け取ると、Threeといったはずなのになぜか6枚もチケットをくれる。 とりあえず運命の女神と女性に感謝しつつ、説明会場に着くととっくに終了しており、出遅れたのか、余裕なのか、何も知らないのか、少しばかりの人達が後ろに並んでいるオードブルをつまんでおり、前の方では少しだけ人だかりが出来ているだけ。前へ行くとWindows CEベースのWebPadを見せており、ちょっと興味がわいたがそれを振り切り、今度は基調講演の会場Grand Areana(下手なネーミング)へと取って返す。 会場はアリーナと言うだけあって結構な広さで、席の配置や形状は舞浜のNKホールを四角くしたような感じで、数千人は入りそう。付いた時点で会場はまだ5分の入りと言ったところで、会場内に入っちまえばこっちの物なので余裕を持って席に着く。席はいわゆるスタンド席のステージ正面の前から3列目。真っ正面はいいのだが、ステージまでは50メートルほどあり、手持ちのカメラの3倍ズームでもビル・Gの顔が米粒ほどにしか映らない。どうしようかと思いあぐねていると、パワレポのKさんとIさんが現れる。聞くと今日着いたばかりらしいが、ポートランドでロストラゲッジし、時間を食ってしまいギリギリでこっちに着いたとか。海外常連のKさんはともかく、初めてのIさんはすでに疲れ顔。 チケットはなんとか手に入ったらしいが、スタンドの上の方でいまいちな場所らしく、丁度良いので6人分キープした席をシェアリングする事に。と、ここでやっぱり出てくるのが写真の問題。とりあえずIさんKさんYさんが前の方へと様子を見に行ってくることに。Iさんが戻ってきて言うには、講演の最初の1分だけメディア用に写真撮影の時間をとるとのことらしい。てことで、席にはレポート執筆担当のT氏だけ残して、私も一緒に前の方へ行くことに。ところが、途中にいるMGMの係員のおばちゃんが、前の方はVIPチケットしか通さないと頑固に通せんぼ。こっちがメディアと言おうが、前の方の係員とは話が付いていると言うが馬耳東風。頭に来たんでクソババァと言い捨て、1本先の通路へと走る。こっちのジジィも通せんぼするが、横を向いたスキにIさんとともに駆け抜ける。ああ、オレもブン屋根性が染みついてきたなぁ。 前の方へ行くと、世界中のメディアが100人ほど集まって、ワイワイガヤガヤ。人だかりが出来ている、と思う永久の中心にはMicrosoft社長のスティーブ・バルマー氏が歓談中。さすが世界一の金持ち会社の社長。スゴみって程ではないが、貫禄は感じる。と後ろを見ると今度はソフトバンクの社長、孫正義氏がちょこん立っている。さすがに日本メディアは気づいたが、外人は全然誰だか判っていない様子。一応、こちらも日本で何番目かのお金持ちなんだけどね。 予定の7時を過ぎて、そろそろ始まんないのかなと焦れはじめたころに、2度目の「テメエら座りやがれ、そろそろ始めんぞオラァ!」との放送があり、ステージ左手からComdexの主催者でKey3Mediaの社長が登場。ま、この人は刺身のツマだからどうでも良いのだが、この人の紹介とともに今度は右手からビル・ゲイツが元気良くステージに駆け上がってくる。ちょっと虚を突かれて、駆け上がる瞬間の写真がピンボケてしまった。あわててカメラの設定を変えて、正面に立つビル・Gをとにかく撮りまくる。同時に世界上のカメラからフラッシュの嵐。やっぱすごいわ、ビル・Gって。けどちょっと太った? 1分を過ぎると係員が「時間過ぎたぞコンチキショウども、止めやがれベイベー」と立ちはだかるので、仕方なしに席に戻る。ちょうど10席ほど並んだ内の真ん中なので「Excuse me」を連発しながら、何人か外人の足を踏みつつたどり着き、ここから先はスクリーンの写真を撮りながらおとなしく聞く。詳しい内容は記事を参照(テキストはT氏、写真はYさんとオイラ)。で、オイラの感想だけど、まぁスタンディング・オベーションがなかったというのが全てを物語っているんじゃない。 終わるとYさんとKさんは某N社のカンファレンスに向かい、T氏はホテルに戻って基調講演のレポートをまとめに、IさんとオイラはCOMDEXの前の顔見的なプレス向けのイベント「Mobile & Digital Focus」を取材に行く。会場がCaesars Pales Hotelとだけ判っているだけで、このホテルがどこにあるのか、ホテルのどこでやっているのかも不明。海外初めてのIさんと、2度目のオイラ(アメリカは初めて)の二人だけでたどり着けるのか不安一杯。 とりあえずホテルのロビーでタクシーを拾えば何とかなると思い、人をかき分けて歩いていくと「Mobile & Digital Focus」と書いた人が通路の真ん中で突っ立っている。聞くとホテル前からシャトルバスが出ているとのこと。ラッキー、と歩いていくと、見事発見。無事にシャトルバスにたどり着く。けど、バスの前の方に座っているのは運転手の知り合いらしきメキシカンばかりでちょっと不安に。それにムチャクチャきっついタバコを吸いやがりやがって、目喉鼻が痛くなる。 Caesars Palesは思ったより近くで、あっという間の到着。けど今度は会場のPavilionという場所が判らない。「Pavilion」なんて一般的な名前をホテルのホールに付けんじゃねーっつーの。フロントのおねーさん聞いて、なんとかたどり着くと、そこはもうまるで体育館みたいな巨大なテント。一体普段は何に使ってんだ? 会場をフラフラしていると今度はカメラマンのY・Kさんと遭遇。COMDEXに来る直前まで点滴打っていたそうだが大丈夫なんだろうかこの人は? 一緒にIntelのブースでノート用の超低電圧版CPUの話を根ほり葉ほりと伺う。米Intelに勤務する日本人のKさんという方がいらしたので、これ幸いと日本語で質問責めにする。実はこれが今回一番面白かったかも。さすがに口が堅くて、そんなにいろいろとは喋ってくれなかったけどね。 気が付くと閉会の10時を過ぎており、他のブースはほとんど見られずに会場を追い出される。外へ出るとY・KさんとIさんに食事に誘われたのでご相伴に預かることに。ていうかY・Kさんはライターなんだからこっちがお金を出さなきゃ行けないくらいなんだけど、Iさんが持つというのでご厚意に甘える。で、どこへ行くかと思えば、いきなり日本食レストラン。「浜田」だというベタベタな名前もさながら、海外で日本食を食べるとどういうことになるのかよく判った。そりゃ、上手いところもあるんだろうけどね。ハッキリ言ってコンビニ弁当の方が上手かったです、ハイ。おごって貰って置いてなんだけどね。 12時近くになってからお開きにし、Iさんは歩いて、Y・Kさんと私はタクシーでそれぞれの宿へと戻る。部屋へはいるとT氏がヒーヒー言いながら基調講演をまとめている。いくら日常会話がぺらぺらとは言え、それをレポートにするのはまた違った能力が必要なので、他人事ながら大変そう。とりあえず手持ちに写真だけを簡単に整理してT氏に渡し、翌朝にシャワーを浴びることにしてこの日は3時過ぎに眠りにつく。
■第191話 2000/11/11(土) 後悔のアメリカ日記・なし崩しの出発編 ▼昨日の日記で予告したとおり、午前5時市ヶ谷発の始発で帰宅し、残りの着替えを揃えてバスで駅に向かう。よく見ると1分差で一本のがしてしまい、30分ほど足踏み。そのまま成田には向かわず一度編集部に行き、備品のトランクにパッキングしてJRの駅までガラガラ押していく。東京駅についてそこから成田エキスプレスに乗り換え。NEXは朝っぱらから席は全部埋まっており、1時間ほど立ちっぱなしでうつらうつらと白河夜船。途中2度ほど倒れそうになる。 成田に着くと12時ちょうど。待ち合わせはノースウェストのチェックインカウンタの前に1時15分。残り1時間以上あるのにどうしようかと迷う間もなくベンチに腰を下ろして、カバンを抱え込むようにして熟睡。きもちよ〜く寝てしまう。1時ちょうどに目を覚まし、そろそろかと立ち上がっていると、同行するライターのYさんが到着。15分を過ぎても編集部のT氏が現れず、Telすると「今着いたところです」と2分遅れで到着。チェックインして、両替して、ゲートに向かうと腰を下ろす間もなく搭乗開始。席について飛行機が動き出すや否や記憶が途切れる。おやすみなさい。 2時間ほど経過した頃、隣のT氏に起こされると機内食のディナーの時間。白人のおばちゃんのスチュワーデスに「Chicken or Beef?」と聞かれても頭が働かずなんとかBeefとだけ言い、食い終わったら再び夢の中。更に飛行開始してから6時間ほど経つと、さすがに寝飽きて持ち込んだジャレド・ダイヤモンド「銃・病原菌・鉄 下巻」を読み出す。 9時間が経過し、そろそろ体が痛くなってきた頃に到着のアナウンス。日本時間で午後11時、現地時間(米国西部標準時)で午前7時にサンフランシスコ国際空港に到着。9時間も飛行機に乗っていたのに、日本を出発した時間よりさかのぼっている。この辺から時間の感覚が狂い始めたようで、早くも時差ボケの第一歩。乗り換えのラスベガス行きは10時過ぎの出発。それまでYさんノースウェストのサロンでメールチェックをし、ワタシとT氏はアメリカには珍しいアイスコーヒーをラージサイズで飲みながらひたすらまったりと駄弁る。 定刻の5分前に26番ゲートに向かうと、なぜか番号が27番に変わっていて、横を見ると元の番号(26)が落ちている。アバウトやねぇ。搭乗しようとすると、切符もぎの金髪のヤンキー姉ちゃん(本物!)が東洋人の時だけ「Thank you」の発音をあからさまに変えている。アンタは一生そこで切符もいでなさい。乗り込んだ飛行機は国内線らしく60人ちょっとしか乗れない小さなもの。スチュワーデスも、とうのたった恰幅の良いおばちゃんで、お尻を触ったエロジジィを怒鳴っていた(笑)。結局このフライトでも熟睡し、気が付くとラスベガスの上空。現実には1時間ほどで着いた模様。上から見たラスベガス付近は砂漠ばかり。 飛行機から降りて待合いのロビーを通り過ぎると、噂通りにいきなりスロットマシンが並んでいる。空港から一歩も出ずして破産も可能とは、さすが。出口まで延々と長い通路を歩き続ける間に、極彩色の内装やアメリカ〜ンな広告の山で、早くも「ラスベガスお腹一杯」って感じ。少なくとも日本人向けの観光地ではないのが、この時点でアリアリと判りすぎ。タクシーに乗ってさっそく今日の宿へ向かう。着いたホテルはLUXOR。目の前にスフィンクスがいてガラス張りのピラミッドの形をしたラスベガスでも1,2位を争うバカホテル(笑)。ホテルの中もとにかく古代エジプト風に統一されており、ファラオと妃の格好をした外人が歩いており、京都の舞妓さんみたいなものか?と勝手に納得。 部屋で荷物を置いて、通信環境をチェックするとちょうどお昼過ぎになる。ホテル内にあるビュッフェに昼食を取りに行くと、まるでピラミッド内部の回廊のように入り組んだ作り。どこを通ると入り口に行けるのかすら迷う。段々と疲れてきたが、気を取り直して食事を取りに行くといかにもアメリカ〜ンなメニューが山とある。と見せかけてメニューの種類は意外と少なく、とにかく量でごまかしている。いろんな意味でお腹一杯なので、軽くサラダとトルティアとパンを取って席に戻ると、T氏とYさんは皿一杯に持ってくる。この辺の取り方はやっぱり体重に比例するものかと、心の中で密かに納得する(笑)。あっという間に食い終わってしまったが、追加を取りに行く気力はない。それでも海外経験豊富なYさんによるとラスベガスでは中くらいの味だとのこと。奥が深い(のか?)。 食後は一度会場の様子を見るのと、PressPassの登録に。ホテルから乗ったタクシーのオッチャンが、明らかにヤバイ。陽気で鼻歌交じりで良く話しかけてくる。適当にあしらったが、どう見ても酔っぱらっている。もう、ヤダ。オレ日本に帰る(笑)。ドキドキしながら会場のLas Vegas Convension Centerに到着。二日後のスタートを控えて中は建設ラッシュ。屋内でフォークリフトやカートをガンガン走らせていて、何度も引かれそうになる。目下の目標のPress登録はなんと明日から。ちぇー。 おかげですることが無くなってしまったので、散歩がてらにCompUSAに買い物に行くことにする。ところが拾ったタクシーの兄ちゃんがCompUSAの場所を知らず、他のタクシーの運転手に聞いている。オイオイ。不安一杯だったがとにかく着くと、そこはいかにもアメリカ〜ンなショッピングセンターのど真ん中。どこを見渡してもいろんなタイプのショッピングセンターが地平線まで並んでいる。うろうろと歩き回って、目的のブツを買って、アメリカでもAthlonとマザーボードを売っているのを確認して、雨に濡れて凍えながら、タクシーを拾ってホテルに戻る。 部屋に戻ってボーっとしている内にウトウトとしてしまい、目を覚ますと午後9時過ぎになる。ああ1日がホント〜に長い。ここでYさんは他の編集の方と打ち合わせに出る。ワタシとT氏は色々とネットワーク設定をいじくり、ホテルで簡易LANを構築。どこにいてもやるこた一緒。11時を過ぎた頃に小腹が空いたので、T氏と二人で食事に出る。LUXOR内のまともなレストランはほとんど閉まっており、初日からファーストフードは勘弁だし、よくわからん日本食もパスだし、バーもちょっとね、と歩き回っているうちに隣のMANDELEY BAY HOTELにまで来てしまう。何となくこっちの方が高級っぽく、カジノも繁盛しており少々怖いほど。 案内カウンターでこの時間に空いているお薦めの店を聞いて、入ったのがRuffles Bar。表からみるとタダのBarのようだが、奥がダイニングになっていて結構まともそう。メニューをみるとメインディッシュの種類が少なく、T氏とともにサラダに前菜にといろいろと注文。最初にハイネケンのショットボトルとシーザーズサラダが来る。オリーブの味が濃くて、美味美味。次にT氏が前菜に頼んだHot Chicken Wingが来る。小さめの手羽先のチリソース和えで、20本もあったけど非常に辛くておいしい。しかし、前菜にしては多すぎ。次にワタシが頼んだオニオンリング来ると、不安は的中。もう皿の上にでっかいリングが山になっている。アメリカの大学を出ているT氏が曰く「アメリカ人でもこんなに食わねーよ」。当然、ワタシらにも食いきれるはずがない。とにかく、不安を押し隠しながらメインディッシュが来ると唖然。T氏のローストチキンは、一羽を真ん中から左右にまっぷたつに切ったものがそのまま。ワタシのミートローフは、1枚200グラムはあろうかというものが3枚も。それだけでなく、それぞれの皿にはこれまたジャガイモ何個分だよ?と言うくらいの大量のマッシュドポテトとその他野菜が。ワタシもT氏も胃袋に自身がある方だが、二人とも苦笑いを浮かべながらひたすら食うべし食うべし。ワタシは3枚目のミートローフを半分ほど食べた辺りで、T氏はチキンの半身を7割ほど解体した辺りでリタイア。こんだけ腹一杯食べたのは、焼き肉を3人で20人前食った時以来。代金はこれで一人頭20ドルちょっと。味はかなりいいので、大人数で行っていたら丁度良かったかも。ここはアメリカ〜ンな感じを越えていました(笑)。 食事している間に日付が変わり、ようやく12日の日曜日に。部屋に戻って簡単に明日のミーティングをし、シャワーを浴びて、YさんとT氏は早々にベッドに。ワタシはこの日記を書き上げてから寝る。現在午前4時。日本を出てからは30時間、最後に布団に寝てから60時間が経過。ようやく長い一日にが終わる。でも、もうすでにアメリカお腹一杯。
■第190話 2000/11/10(金) 怒濤のアメリカ日記・前日編 ▼なんか知らんが9時半に起きる。知らんてこたぁないな、自分で目覚ましセットしたんだから。そこから更に30分ほどかけて体が目を覚まして、身支度を始める。ついでに下着などの着替えを簡単にまとめて、ペットボトルのオーイお茶を飲み干して家を出る。編集部に着いたは12時前。こんなの一体いつ以来だろうか?
▼メールチェックを済ませてから秋葉原に向かう。1時ちょうどに到着し、土曜日の巡回と同じペースで開始。ブツも少な目で、アタリも付けてあるので早い早い。途中までは気合いを入れて高速モードで巡っていたが、時間に余裕が出てきたので、珍しく昼食タイム。ステーキハウスでランチメニューを注文。二人用のテーブル席が3列並んでいるところの真ん中に座ったところ、両隣がそれぞれ20代の女性の二人連れ。右隣がいかにも携帯を売っているような感じだな、と思っていたら話の内容からどうやら大当たり。聞き耳を立てていると、仕事上での悩みを相談しあっている。職業に貴賤はないとは言え、そういうところに集まるヤツばかりなだけに、人間関係だけは大変そうだ(笑)。ほんで、左隣に座っているのはどこかの事務系OLの二人連れらしい。その内の一人が結構可愛く、こっちにも聞き耳たてているとそのカワイイ方の娘が曰く ▼午後8時前に再び編集部に戻ってきて作業開始。一通りデータ整理が終わると9時を回っている。一旦、手を休めて、隣の部署のH君が異動となるので、それの追い出し会に向かう。一次会は市ヶ谷駅近くの「ソウル」と言う店で、乾杯にだけ顔出すつもりで行ったら、なんと焼き肉屋であった。店名で気づけよ、オレも。ビールだけで帰るのももったいなので当然腰を下ろして、喰うべし喰うべし。 途中で隣に座っている女性が全然知らない人であることに気が付く。聞くと、1週間前に入社したばかりで最近立ち上がったばかりのコンテンツを担当する部署に配属された、S谷さんと言う方。ウチに来る前には何をやっていたか聞くと、もうこれがオレとは無縁の硬派なところにいたそうで、知的な容姿といかにも出来そうなOLといった服装が相まって、クラクラきちゃう(笑)。 突然、数ヶ月前にウチを退社してベンチャーを始めたはずの鬼の営業・K山が乱入。オレの目の前に座ると、給料が3倍になったことや、いかにビットバレー系から距離を置くように努めているかや、辞める際の社内のいきさつ等を大阪弁でまくし立て始める。つーか、アンタ辞めたはずなのになんでそんなに社内の情報に詳しいんだよ(笑)。おかげで、S谷さんとの蜜月はどっかに行ってしまう(バカ)。K山、許すまじ。今度おごれよな。 11時過ぎた頃にようやくお開き。どうせオイラは、これからまだ仕事だけどね。編集部に戻って、500のペットボトルでお茶を飲み干してアルコールを体外に排出し、仕事を再開。さすがに土曜日のと違って、元のデータ量が少ないので1時前には一通り完成。その他ゴチャゴチャと雑務をこなしてから、この日記を付ける。 ▼この後は、始発で一旦、家に帰ってから残りの着替えをまとめてから、再び会社に取って返しパッキングし、一緒に出張する同僚・TさんとライターのYさんと1時15分に成田空港で待ち合わせ。おそらく、少しでも寝たら最悪の事態を招くことは火を見るよりも明らかなので、このまま一睡もせずに過ごすつもり。海外出張の前日からこんな状態で、体力は持つのだろうか? さあどうなる?
■第189話 2000/11/9(木) ▼起きてから昨晩買ったセブンイレブンの鮭飯イクラおにぎりを食べてから秋葉原に向かう。歩きながら土曜日に穴埋めプランを考えた結果、自分の担当分だけ金曜日更新にすることにする。今週のトピックはSDRAMの128MBが6千円割れすることと、Pentium 4 1.5GHzのフライング販売か。一通り回ってもそれ以上の成果はなく、松屋でカレギュウを食べて、あきばお〜四号店でゴニョゴニョを買ってから編集部へ戻る。 ▼あちこちで好評のジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄 上巻」を読了。評判通りの好著で、面白く読んだ。なぜ、スペイン人がアステカを征服できたのか? なぜ、新大陸から多数の住民が消えたのか? なぜ、オーストラリアのアボリジニは独自の農業を確立しなかったのか? こうした人類史におけるWhy?に対して、生物学、植物学、文化人類学、地学、医学等々、あらゆる学問と知識を動員して説明している。これまで私が読んだ本で、もっとも近い感想を抱いたのがスティーブン・J・グールド「ワンダフルライフ」。ある生物が繁栄するか絶滅するかは、その生物に起因する優劣があるわけでなく、そのときの周囲の環境によって純粋に確率的に決まる。それと同じ事が人類の歴史にも当てはまる。ある人種、ある文明、ある部族が、その他より反映するかどうかは、その環境によって純粋に確率的に決まるのだ。そこには恣意的なものなど入り込む余地はなく、さらには現代社会(政治・経済)にもこれは当てはまる。下巻を読むのが楽しみだ。
■第188話 2000/11/8(水) ▼ああ、なんかもう、やたらと忙しいな。しかも会議をする度に仕事は増えるばかり。久しぶりに終電を逃してしまった。 ▼そろそろ逃げ出す算段を具体化せんとな。会社も段々、頭の悪いことになってるし。社内のシステムをしょーもないコンサルに頼むくらいなら自分の頭を使えっての。頭使っても足りないノウハウの部分をコンサルに頼むのは理解できるが、端っからべったりなのは頭悪すぎ。所詮、パソコン雑誌の編集しかしてこなかった会社なんだよな。編集後記でどんなにネタをふっても、オタクネタ以外だと社内から反応が全くないのは絶望的。 ▼日本赤軍の重信房子が逮捕されたが、マスコミの騒ぎようが笑えて仕方がない。時代遅れなのは日本赤軍だけでなくマスコミの性根もだな。重信の見事に「向こう側の人」の目も、確かに怖いが。
■第187話 2000/11/7(火) ▼早起きして映画でも見に行くつもりだったのだが、今日も夕方起き。やることもないので、会社に向かいゴチョゴチョと仕事。ようやくアメリカでのスケジュールが確定。今回は向こうで実質的に3泊しかしないので準備は簡単で済みそう。 ▼今日はタイミングがバッチリ。だからといってどういうワケでもないのだが。しかし、どうも反応がわかりにくいな。 ▼早めに帰宅して、DVDの消化に努める。本日は「ジャッカルの日」。ここまで原作を忠実に映画化した作品てないよなぁ。原作と違うのは、パリに着いてから隠れ家を探す時と、ジャッカルとルベル警視が一度も言葉を交わさないことくらい。正味130分を越える長編だが、最後までまったく飽きずに見通す。 ▼しまった、ETV2000の養老孟子と押井守の対談の再放送を見逃した。アヴァロンの公開は来年だしなぁ。そういえばアヴァロンのストーリーって永福一成の「ライトニングブリゲイド」となんとなくダブる気が…。
■第186話 2000/11/6(月) ▼夕方に起きて、まずはコンビニで立ち読み。と、M原に足を踏まれる。お返しに膝蹴りをプレゼント。 ▼夜は夜で、M原宅へ定期便。「ガラスの仮面」41冊と引き替えに「ハンター×ハンター 10巻」と「ベルセルク 20巻」を置きに行く。ついでにいくつかDVDも持っていって、変わりにこの間のマンガ夜話の録画をチェック。「マキバオー」の回だけ見るが、5年目にして大月隆寛大ブレイク! マキバオーを背景に日本人論まで語ってしまう。けれど、大月の言うことがほとんど理解できる自分もイヤだな(笑)。 ▼大月が言っていた、競馬の原点とも言える田舎の祭りのドサ回り的な草競馬に関する記述は、畑正憲(ムツゴロウ)の著作でも多少触れられている。畑氏が北海道に移住した昭和40年代では、すでに現在の中央競馬界によるシステムが完成しており、村競馬と言っても祭りの余興的なものになってしまっていたが、それ以前の戦前から馬を作ってきた人達の伝え聞きから、かろうじて伺いしれる。畑氏は最近だとフジテレビの動物王国のテレビ番組くらいしか露出が無く、たまに動物愛護の面でもバッシングされたりする人だが、この人の40〜50年代にかけた時期のエッセイは天才的に文章が巧い。だてにエッセイだけで数十冊も著作を出していないのだ。
■第185話 2000/11/5(日) ▼起きるとすでに夕方。買ってきた雑誌を流し読みしてから、たまっているDVDを消化。「Nightmare Before Christmas」と「Toy Story 1 & 2」と「フリクリ 4巻」を立て続けに見て、頭がおかしくなる(笑)。
■第184話 2000/11/4(土) ▼今日は午後6時過ぎに仕事終了。某所で色々と言われたのが影響したわけではないが、早めに完成。いつものように池袋でリブロによって、サイアスの最終号と、ポピュラーサイエンスの創刊号と、ニューズウィークの日本語版を買う。ついでに山形浩生とポスペの八谷一彦の対談が載っている美術手帖も買うつもりだったけど、あまりの読みでのなさに立ち読みで済ます。巻頭特集の明和電機も、もう少しテキストが多かったら買っていたんだけどね。書籍は未読が40冊を越えてしまったので、自粛中。見ると何か買ってしまいそうなので売り場も素通りして、コミックスの新刊を買っただけでリブロを出て、ばんからでトンコツを喰って帰宅する。 ▼金曜日の朝に家を出るとき、郵便受けにbk1からのメール便が届いていた。時間がないのでそのままカバンに突っ込んで仕事に向かって、それっきり忘れていたが今朝になって気が付いて明けてみると、発送ミスで「八月の博物館」に同梱されていなかった瀬名秀明氏の直筆サインカードが入っていた。ちなみに番号は200番中27番目で、たぶん受注した順番なんだろうけど思ったより前の方だったな。 ▼瀬名秀明の小説を読むのは「パラサイトイブ」に続いて2作品目。実は「ブレインバレー」とかは手にも取っていなかったりする。理由は簡単、「パラサイトイブ」がツマラなかったから。賞の選評で理系的の描写が新鮮とか言われても、当時ボクは化学の学生で毎日のように実験室で白衣を着ていたし、お約束的に入っている濡れ場の描写は妙に生硬だし、オチの付け方もいかにもB級映画的だし、当時のボクには読めないたぐいの小説だった。 確か読んだのは、角川のホラー大賞の第一回受賞作として単行本が発売されてすぐだったが、ボクとしては期待はずれでそれっきり忘れていたのに、気が付いたらあれよあれよと大ヒットになって、角川得意ののメディアミックスでゲームにまでなっていた。そこまで行くと、もう意地になってしまい、二度と瀬名秀明の作品には手を出さないと心に誓ってしまって、今日に至るのである。 そういやなんで今回は買う気になったんだっけ? 注文したときは、まだサインのプレゼントは発表されていなかったよなぁ。まあ、いいや。後は読んでからだな。
▼朝日新聞「ペンギン「将棋倒し」現象に調査団を派遣 英空軍ら」
■第183話 2000/11/3(金) ▼天下の金曜日だというのに祝日なのがたたって出勤(目的語が逆だな)。一日中、秋葉原で人波とオタク汁にまみれて過ごす。 ▼ちこっと誤解があるようだが、先日の東浩紀の援護のように見える文章は、唐沢俊一とか宮台とかの世代に向けて言った訳じゃないんだよ。第一オレ自身も、唐沢の言う通りに東の文章はそれほど上手いとは思ってないし(笑)。オレが東に絡むのはファン心理の裏返しみたいモンだけどね。ハッキリ言ってしまうとこれとかそれとかに対してのリアクションなワケで、書き込んでいる羽尻さんも面白いことやってるんだから、目立つ人を揶揄ってるくらいならもっと自分が目立つところに行けばいいのに、ということです、ハイ。 ▼ああ、夜はまだ長い。今日のデータも膨大だ。
■第182話 2000/11/2(木) ▼インターホンの音で目を覚まして外を見ると佐川急便の兄ちゃんが叫んでた。届いたのはPlayStation.comに頼んでいた「Toy Story 1 & 2」のDVD。おまけのミニトイはバズでした。 玄関で受け取ってふと足元を見ると、Yahooオークションで競り落としたIBMのメカニカル10キーが落ちている。受取人払いで送ってもらったはずなので、家人の誰かが払ってくれたのかな? ▼今日も出社拒否症が発動中。だましだましで秋葉原経由で会社に。 ▼夢を見た。 自分をネオだと言い張る東洋人が言う「この道はどこにも繋がっていない」。その横にいつも座っているキャベツ畑人形は「この道は必ず続いている」と違うことを言う。離れたところにいる色白で声の高い眼鏡男が「この道をどこかに繋げろ」と叫んでいる。 でも僕は長い休暇を楽しむのに精一杯で、そんなことを考えている暇がなかった。それに休暇が終わってからはきっと考えることも止めてしまうと思う。だから僕が一番近いのはもしかして手紙の人なのかもしれない。
■第181話 2000/11/1(水) ▼あ〜、眠い。仕事したくねぇ。先週頑張りすぎた反動かな。ヤダヤダ。 ▼一昨日書いたことは要は何がいいたかったというと、何で東浩紀だと本が売れて講演にも人が来てウェブにもアクセスがあるのか? 東浩紀は何故必要とされているのかということ。一定の需要のあるものに対して、外からグチャグチャ実のないイチャモンを付けるなら、この疑問に答えて欲しいものだ。誰にも迷惑かけていないんだから文句無いでしょ、という援交女子高生を正面から説得するくらい難しいぞ、これは(笑)。
▼金無いのにまたCDを買っちまった。
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