■2002-07-23(火)
▼ 日記
起きると午後2時。ガ━━(゜Д゜;)━━ン。また目覚ましを止めるクセが復活したみたい。お台場方面へのお出かけは断念して、夕方まで家で読書。夜はまたKちゃんのライブを見に大塚へ。
今日は、同僚の講師の人とユニットで、一応プロとしてのライブということらしい。メンバーは皆それぞれ活躍しているプロだけあって、さすがに技術はスゴイ。うーん、でも聞いていてあんまり面白くないんだよなぁ。ギターのメロディラインよりも、リズム隊の方を耳が追いかけちゃうのは、ギターの音がちょっと小さめだったせいもあるけど。でも聞いていて何だが自己満の演奏っぽかったっていうのは、意地悪な見方じゃないと思う。アンケートにも手厳しいことを書いたけど、今回は2,500円も取ってんだから、それぐらいはいわせてくれい。
▼ PC Watch 米企業がJPEGの特許ライセンスを主張
GIFに続いてJPEGまでもがプロパテント主義の手の落ちてしまった…。「ラン・レングス・コーディング」というのはJPEGだけでなく、MPEGなどいろいろな画像圧縮技術に使われており、このままではイヤーなことになりそうな気配。ソニーが既に支払っているというのが他の企業へのプレッシャーになっている。アメリカの特許法はサブマリン特許なんて事例があるのも大きな欠陥だが、こういった後出しジャンケン的なことも禁止すべきだと思うんだけどなぁ。
▼ PC Watch 「カシオ EXILIM」、「ソニー サイバーショットU」比較レポート
実写画像はこっち。ラーメンは家系みたいだけど、もしかして六角家かな? レビューのだいたいの趣旨は他でも言われていることや、ワタシの感想と同じ。
▼ 産経新聞 「千と千尋−」DVDに「色赤い」と苦情
▼ AV Watch ブエナ・ビスタ、「千と千尋」の色調について公式見解を公開
▼ ユーザーによる情報はこのページに集まっている。実際に見た感想としては、環境によっては目立たないのは確かだが、PC上で何の補正もしない状態だとホントに真っ赤で見ていられない。さーて、ブエナビスタはいつまでほっかむりし続けられるだろうか。
【RGB混合】 |
【赤成分(R)】 |
【緑成分(G)】 |
【青成分(B)】 |
物証がないんじゃ説得力がないので、ここで試しに実験君。このぺーじの冒頭の千尋が車の中でひっくり返ってすねているシーンを、フォトショップでヒストグラムを抽出して比較してみた。
ヒストグラムは画像の明るさの分布をグラフ化したもので、輝度のレベルが左が0で右端が255になっている。おおざっぱに言うと、グラフの山が左に偏っているほど暗い画像で、右に偏っているほど明るい画像だと思っておけばよい。
最初がRGB混合した状態。なだらかな山で極端に明るいとか暗い画像ではなく、標準的な明るさ。アニメということで、特にどのレベルが高いということもない。次はR成分(赤色)だけの。ずいぶんと赤のレベル高いように見えるが、まあこれくらいなら他の映画でもある。3番目が緑成分。右の方が完全にフラットになってしまっている。そして最後の青成分だが、ほとんど右半分、つまり明るい青がまったくなくなっている。
これでわかるのは、画面が赤くなっているのは、ジブリの指示に基づいて色調を買えた結果ではなく(それならば緑や青成分がある程度あった上で、赤の高輝度成分が多くなっていなければならない)、MPEG2エンコード時に何らかのミスが発生して緑と青の輝度の高い成分をカットしてしまったか、オペレータが素人で色調補正時に赤成分を増やすのではなくて単純に青と緑を減らしてしまったことになる。つまりは製造ミス。 可能性としてはさっきのページの作者が画像をいじっていないとも限らないけど、他のいくつかの検証ページで公開している画像でも同じ傾向が見られたので、それは低いと見ていい。
さて、どうするブエナビスタ?
■2003-07-23(水)
▼ 今年はだいぶ余裕を持って夏休みを取れそうな気配。ここ3年ほどは、ズルズルと仕事が長引いたり、飛び込みのニュースがあったりして夏休みは3日ほどしか取れなかったけど、今年は何とか5日確保。つっても今年も金ないんで、どっこも行けなさそう。
▼ プロジェクトX 第122回「復活の日 ロボット犬にかける」
録画しておいたプロジェクトXを見た。おおおー、某さん出まくり、話しまくり。ロングで多摩川の土手を歩くシーンにはちょっとビックリ(笑)。とはいえ、さすがに周到で、映したらやばそうなところは、いっさいカメラのフレームには入っていなかった。実質的にソニーの社内で映したのは開発部のフロアの一部と、土井さんの役員室だけか。開発部も後ろに歴代のAIBOが並んではいたけれど、本当の開発部の部屋とは限らないし。だって、開発関係の部署にしては「おもちゃ」が少なかったから(笑)。最後には土井さんと一緒に車座でSDR-4Xを囲んで和やかに雑談シーン。それにしてもSDR-4Xの発売はいつになるやら。
▼ 日経産業新聞 スルッとKANSAIのIC乗車券、三井住友カード、設計受託
ポストペイのクレジットシステムがJCBから三井住友カードに変更。JCBがVISAに負けたってことか?
▼ ビョルン・ロンボルグ(山形浩生訳)『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』(文藝春秋)
ちょうど半分ほど読んだところ。この先も個別の問題に対して同じような検証・批判の繰り返しみたいなので、とりあえずの感想。
この本のことを環境版『知の欺瞞』っていうと、環境学者に対して失礼すぎるかもしれないけど、中身はそんな感じの書き方。でも『知の欺瞞』と一番違うのは、ポストモダニズムが間違っていようが、貶されようが世の中にはな〜んも関係ないけど、環境問題は今日、国際政治と直結しているってこと。
たとえば京都議定書からアメリカが離脱したことで多くの批判がなされた。でも、同じ経済的コストを払うなら、温暖化を防止するもっと良い方がある(P525参照)。先進国で莫大なコストを掛けて二酸化炭素削減を図るより、発展途上国に支援をした方が将来的に放出される二酸化炭素は減るし、掛かる経費だってずっと少ない。でも、京都議定書が非効率だからといって、アメリカのとった行動が褒められる訳じゃない。政治的にも環境的にも。
つまり問題なのは、科学的に効率の良い対処法が、政治的にも効率が良いとは限らないと言うこと。政治的な効率って意味不明だけど、経済的コストとか、国家間の力関係といったもの。でも、政治的に効率の良い対処法が、実は逆に環境にとって無意味どころか悪い場合もあり得る。地球環境を本当に重視するなら、科学的な対処を行なわなければならないのは一目瞭然。
科学的、といっても現時点で判明している、という注釈はつく。でも、きちんとデータを測定して吟味し、さまざまな方面からの議論を行なうという科学的な手続きは、決して無意味じゃない。少なくとも一面的なイメージに囚われて現状を見誤るよりは、こうやって反対の意見が出て侃々諤々の議論が行なわれる方がよほど政治的にも健全だ。
関連リンク 山形さんのところのサポートページ