■2009-09-17(木) [長年日記]
▼ 「アイデア」のオタク系デザイン特集がスゴイ
若干、旧聞に属するけどエディトリアルデザインの専門誌『アイデア』が「漫画・アニメ・ライトノベル文化のデザイン」特集を、2009年5月号と9月号の2号に渡って組んでいた。
5月号では『よつばと』でおなじみの「よつばスタジオ」を、9月号では村田蓮爾にフィーチャーして、両者の作品だけでなく、その作品をとりまくエディトリアルデザインを紹介している。なので、単にイラストやキャラクターを使った表象としてのデザインでなく、装丁や造本にまで及ぶアイデアや、キャンペーン全体に及ぶディレクションといったところにまで触れている。
その他の部分でも、タイトルで「漫画・アニメ・ライトノベル」とオタ系メディアを網羅するかように銘打っているだけあって、徹底的にパラノイドじみた網羅性を見せている。LOの表紙だとか、エンターブレインの雑誌やコミックとか、電撃文庫の装丁だとか、この網羅性はスゴイ。それぞれのデザイナーへのミニインタビューも収録されていて、資料性も高い。出版関係の人は一度目を通しておいて損はないと思う。
個人的にやられたと思ったのは、マンガのタイトル・ロゴについて。昔はマンガのタイトルロゴって手書きが当たり前だったのが、だんだんとデザイナーの手にゆだねられるようになっていったが、手塚治虫は最後まで自分の手で描くことにこだわったそうだ。紙面でもすべてではないがかなりの手塚作品のタイトルロゴを収録していて圧巻。
ちなみにアフィリエイトを貼りながらなんだけど、amazon変なプレミア価格が付いているけど、デザイン系に強い書店や大型書店ならまだ在庫があるから、そっちで買うことをお薦めする。