■2007-09-19(水) iPhoneより高価でレアなケータイ [長年日記]
▼ 欧州製超高級宝飾携帯電話「Vertu Ascent」
いつも一緒に遊んでいる、とあるケータイメーカーの中の人が、面白い端末を見せてくれた。
VertuのAscentというヨーロッパの製品。実はこれ、ボディの金属部分が全部ステンレス合金製。枠、ボタン、電池カバーも全部! そして、サイドと背面はレザーでできている。パーツの1個1個が無垢材で、おそらく鍛造品だろう。とてつもなくコストがかかっている。実際の販売価格は二桁万円の後半だそうだ。
そもそもVertuっていうのは、ノキアの子会社でお金持ち向けの「宝飾品としてのケータイ」がコンセプトの“高級携帯電話”メーカー。ステンレスだけじゃなくてチタン、ゴールドやプラチナ、宝石をあしらったものもある。つまり、時計で言えばパテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンチン、オーデマ・ピゲとまでは行かないけど、オメガやIWC、ロレックスあたりに相当するのかな。
ノキアの子会社だから当然、中身はノキア。でも、スマートフォンなんかにはほど遠い代物で、液晶は小さくて解像度は低いし、通話とメールくらいしか使えないしで実に“低機能”だ。だから、そもそも自分でケータイ・アプリを駆使していろいろ調べるパンピーじゃなくて、短縮ダイヤル一発で「○○がしたい」「△△を見たい」と言うだけで、人生の大半がどうにかなっちゃう人向けのもの。
ケータイも高スペック化に低料金化で争っている市場がある一方、はやくも成熟した市場というか顧客だけを相手にするビジネスが成り立つようになってきたのか。まあ、欧州は3G向け電波ライセンスの大ゴケで、ビジネスの風向きが変わったっていう事情もあるんだろうけど。
それにしても、このモノとしての存在感はタダ者じゃない。実際に普通のケータイ2〜3個分の重みはあるけどね。手でなで回しているだけでウットリとしてしまう。