■2007-09-21(金) The Project of Cool ThinkPad ! [長年日記]
▼ ThinkPad X60sのパームレスト交換で熱対策はなるか?
久しぶりにThinkPad X60sの熱問題。ドライバの設定変更である程度は緩和できるんだけど、根本的な解決には至っていない。特に室温の上がる夏場は厳しいことが前々から予測できていた。
バラして無線LANモジュールにヒートシンクを追加しようかとも思ったけど、クリアランスの問題で断念。さてとどうしようかな、と思いあぐねていたときに、X60sの後期モデルではパームレストの裏側に付けられた断熱兼ECMを兼ねている部品が、大きく変わっているという話を聞いた。てことで部品センターに発注して取り寄せてみた。
確かに銅製で大きくなっている。旧タイプではアルミのパンチング板が1枚だったのが、複数の銅板が組み合わさっており、熱容量も大きそうだ。↓は従来タイプとの比較。下の従来タイプは、0.3tのアルミ板を自分で追加してあるので、出荷状態とは異なるけど、明らかに材質やカバー範囲が変わっているがわかると思う。
パームレスト全体の重量も明らかに増えていて、ちゃんと計ってないので厳密な数字はわからないけど、体感で数十グラム程度は増加している感じだ。
交換した結果なんだけど、実は新しいパームレストが届いたのは7月で、交換してこの夏の間はずっと使ってみた。その上でなんだけど、残念ながら「熱い」という点では改善するどころか、逆に体感では悪化しているようだ。
よくよく考えればそれはあたりまえで、部品の点数と大きさから見て旧パームレストと新パームレストの金属部は、重量比で約4〜5倍になっている。アルミの比熱は銅の約3倍で逆に比重は1/3だから、金属部の熱容量は若干増えている。加えて、熱伝導度は銅の方がアルミの倍近く高いので、それだけ熱源の熱をダイレクトに伝え易い。つまり、発熱量が同じなら、新タイプの方がパームレストの温度がはやく上昇して、手の平に伝わる熱量も多いワケだ。
てことで、熱対策のためにパームレストを交換するのはあまりオススメできない。となると、根本的な解決のためには無線LANモジュールの交換しかないかもしれない。ちょうど秋葉原ではIntel製の802.11nに対応した4965AGNが出回り始めている。半導体は世代が進むと発熱量が下がることが期待できるので、発熱量も下がっているんじゃないかと期待している。
不安点は、4965AGNの正確なTDPが不明なのと、最近のThinkPadは無線LANモジュールにBIOSレベルでロックを掛けていてLenovo純正オプション以外は動作しないという話がある点。X60sがどうなっているは情報がないし、Intel純正品でもダメなのかは、試してみないことにはわからない。
てことで、誰かが人柱にならないといけないのだけど、やっぱり自分でやるしかないかなぁ。