■2002-12-08(日)
▼ 突貫工事で作業を進める。午前10時にとりあえずの形ができる。3時間ほど仮眠し、起きてから事務所を抜け出して渋谷に。コモンズ発刊記念のレッシグ&山形トークショウを見学する。
地下1階の階段前に造られた特設会場にちと呆然。なんだかあやしいセミナーっぽいぞ(笑)。会場の狭さとレッシグ&山形のキャラクタもあって、ショウというよりも学校でゼミの授業に出ている気分。実際、それにふさわしいほど濃い内容だったし。どうしても聞きたかった疑問も聞くことができたし。
終わるととんぼ返りで事務所へ。そこから急いで残りの作業を再開。調子よく原稿が進むが、手が遅いのは相変わらずで、全部終わると午前2時。
ちょうど送られてきたメールに雪が降っているとあり、あわてて窓の外見ると、しんしんと大雪が降っている。始発が動くまで、この日のトークショウのメモをまとめる。
■2006-12-08(金)
▼ ポール・オースター『最後の物たちの国で』
ポール・オースターの初期作品。リブロ池袋店の「出版営業が薦める他社の本」というフェアで買ったもの。確か新潮社の人が薦めていたと思う。オースターの古い作品は、ニューヨーク3部作以外は読んだことがなかったで手に取ってみた。
取材中に行方不明になった新聞記者の兄を捜して、とある国を訪れた女性の物語。一言でいうと簡単な内容。だけど、いつものオースターのように、不思議な空間が広がっている
何かを探し歩くうちに自分自身を見失ってしまう主人公。そして自分と他者があいまいになっていく。あいまいなのは人だけでなく、物も、街も、国も、世界をかたどっているものたちが、ことごとくくずおれていく。
最後に残ったのは、新しく得た家族。日々の生活の行き詰まりが見えてきても、共に未来を思う。ニューヨーク3部作の主人公たちが最後まで孤独だったのに対して、この作品では家族と希望がある。それがまぼろしであろうとも。