B.M.F.Diary

Think and Feel. Future is mine.

■2002-11-22(金) [長年日記]

日記

復活。何度このフレーズを繰り返しいるやら。とりあえず峠は越したので、いつものペースで日記再開。といっても、本業の方の年末企画には何一つ手を付けていないのだけど。

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今日は一日中、ルーチンワークに忙殺。うーむ、なんにもできない。

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ICカードが必要なシーン

ICカードの普及が絶対に必要なシーンは、基本的にセキュリティが必要なところだけだ。暗号にしてもCPUにしても、セキュリティを高めるためのものだから。メリット・デメリットを越えて必要なインフラとして、セキュリティが必要なシーンでは今後絶対に普及していくのは間違いない。物理的にしろ、論理的にしろ、鍵と呼べるものを置き換えていくとは簡単に想像がつく。

そこに「無線」という要素が付け加わって、普及が促されるシーンが増えた。この代表が鉄道。でも、これってユーザーにしてみれば改札に人がいたときと同じに戻っただけ。セキュリティが必要だったは会社の方。仮に接触型だったとしたらここまで普及しなかったのは間違いない。NTTのICカードテレカがまったく普及しないのも、まあ携帯電話の普及のせいの方が大きいにしろ、同じ理由があると思う。

で、無線型ICチップ、つまり「RFID」が普及するシーンには他にどんなことがあるのか考えてみた。これは「人と接するもので中途半端に自動化されたもの」じゃないだろうか。今までの磁気の自動改札は、「自動」とはいいながら、利用者にとっては全然自動じゃなくて、定期なら定期入れから出して、改札に入れて、取って、また定期入れに戻す、って手動の部分がかえって増えている。人がいたときは、ポケットから定期入れを出して見せるだけだったのに。自動改札機は、非接触型になることで初めて利用者にとっても「自動」になった。

逆に言うと、電子マネーが普及しない理由はそこかも知れない。たとえはEdyはリアルで使える電子マネーとして一番普及していると言われている。ソニーのお膝元の大崎、品川地区では大抵のお店で使えるし、am/pmなら日本中でも使えるし。でも、いくらひいき目に見ても世間一般的に普及しているとはとうてい言えない。ハードウェアはSuicaと同じFeliCa。なのにSuicaは普及して、Edyは普及しない。鉄道では普及するのに、買い物では普及しない。どうしてかっていったら、たぶん買い物というものは、ほとんど自動化されていない行為だから。コンビニのレジなんて、利用者からしてみればこの10年まったく進歩していない。代金の計算が自動になってPOSが導入されたっていっても、それで便利になったのはあくまで店側であって客じゃないんだもん。

ちょっと脱線して、自動化されたコンビニとはどんなものだか考えてみよう。昔、自動販売機だけが並べられた店が造られたことがあるけど、サクッとなくなった。便利だとか不便だとか言う以前に、自動販売機だとやっぱり販売できる商品が限られちゃう。だから自動販売機はコンビニという店のコンセプトには合わない。じゃあ、コンビニの店の中身は今のままにしよう。替わりに商品の一個一個にバーコードじゃなくて「RFID」を付ける。お客は店に入ったら自分で袋に欲しいものをガンガン詰めていく。袋は当然自分で用意するのがデフォルトだ。で、詰め終わったら、そのまま出口から出る。ただし、店の出入り口にはゲートがあって、そこで袋に詰め込んだ商品の無線タグを自動に読みとって、代金が表示される。そこで電子マネーのICカードをタッチ・アンド・ゴー。これぞ自動レジの自動コンビニ。でも無人ではなくて、店員も一応いる。商品の補充や、調理が必要な食料品も最近は多いし。それにトラブルがあったとき、直ぐ文句の言える人間がいた方が何かと都合がよい。一部技術的に難しいところもあるけど、あと2〜3年あれば十分実現可能なレベルだと思う。

中途半端に自動化されたものって他に何が考えられるだろう。パソコンなんて良い例だけど、これをICカードで自動化できるようなのは、認証関係と簡単なデータの入出力くらいだ。でも、データをICカードにドラッグアンドドロップして、パッと持っていけるようになったらそれはちょっと便利かもしれない。

パソコンに似ているけどゲームはどうだろうか。テレビゲームも中途半端に自動化されている。でも手動の部分があるからこそゲームになっているわけで、全部自動化されてしまったらそれこそ映画みたいなもの。だけどRPGなんかでゲーム内のアイテムやキャラクターをICカードに格納しておくっていうのは良いかもしれない。もっと言えば、カードゲームみたいにコレクションとゲームの二つの要素があるゲームと、シミュレーションやRPGや格闘ゲームとの融合も考えられる。ゲームなら多少のコストも問題にならないから、この方面は有望だと思う。

考えてみると、ICカードの普及が考えられるシーンは、基本的にICカードのハードウェア的な特性を必要としているところに限られている。ICカードが出てきたことで、まったく新しいソリューションが生まれた訳じゃない。ICカードは今まであったものを置き換えているに過ぎない。今ICカードでできることは、電子マネー、鍵、電子チケット、身分証明、ポイントサービス、などなど。どれもICカードの以前から実現していた。電子マネーって言うから新しいように聞こえるけど、利用者からしてみればクレジットカードとたいしてかわらない。ICカードはこれらの安全性を高めてはいるけど、まったく新しい用途を生み出した訳ではない。

ICカードだからこそ可能になったこととはなんだろうか。あるとしたら、さっき上げたいろいろなサービスが一枚のカードに全部乗っかるということかもしれない。そんなことは前からみんなが言っている。けど、たくさんのカードが1枚にまとめられる、と考えるのじゃなくて、1枚のカードで同時にいろいろなことができる、って考えられないかな。

例えば、さっきの自動コンビニ。たばこやお酒なんかの年齢制限があるものはどうする。そこは店員が対応するというのありだけど、もうちょっとスマートな方法がある。例えば「たばこカード」。基本的にあれは、「私はたばこを吸える年齢です」という一点のみを証明しているだけだ。じゃあ、その機能をアプリケーションとして、電子マネーのカードと一緒にしちゃえばいい。出口の精算ゲートが買おうとした商品の中にたばこを見つけたら、カードの中に「たばこカードアプリ」を探しに行く。それが見つかれば、今度は電子マネーのアプリを読み出して、そのまま精算を完了。なければ、ブーッと鳴ってゲートは開かず、店員が「もしもし、お客さん…」となる。

一枚のICカードの中に入っている複数のアプリケーションが連携してサービスを提供する。これがICカードだからこそできることじゃないだろうか。ごく当たり前のことだけど、これがもっと普及したとき、きっとあとには引き返せないくらい便利で、定着したものになっているかもしれない。

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日経産業アドネット シンポジウム「電子社会の未来」

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電子認証が日本を変える』(生産性出版)

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すっかり遅くなっちゃいましたけど、東京タワーを見ながら取材した人の本がこれです。PKIそのものに関しては丁寧に書いてありますけど、特に良い本というわけではありません。

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唐沢なをきサイン会開催

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会場:ジュンク堂書店 池袋店 1F
   〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目15-5
日時:12月7日(土)午後3時から
問い合わせ先:Tel.03-5956-6111
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X線デジカメが実用化されていたとは知らなかった。ハンディタイプまである! しかし開発者インタビューまで載っけるのはやりすぎだろキヤノン。

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BLADEって、結局のところ企業向けにPKIソリューションを提供しているだけみたい。認証といっても別にNTTコミュニケーションが身元や支払い能力を調査して保証しているわけではなくて、認証に必要なシステムと、認証の元になるデータベースの保護を提供するだけ。結局、何を認証して何を認証しないかは、BLADEを使う企業が決めることのようだ。イントラだけではない、外のネットワークと繋がったシステムで、BLADEを使うことによって企業がその社員なりユーザーなり取引先企業がログインしていることを厳密に確認できるだけのようです。

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総務省のページを見ると、BLADEというかNTTコミュニケーションは、公的個人認証やGPKIの特定認証業務指定機関ではないみたい。つまりe-Japan的公共事業のおこぼれには預かれないということ。だから、JCBと提携してクレジット決済機能を入れたり、NECのICカード認証を使ってSOHOや個人を取り込みやすくして、民間企業にアピールしているのかもしれない。

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