■2007-09-07(金) ThinkPadの聖地をのぞいてきた! [長年日記]
▼ レノボ・大和研究所見学ツアーに参加してきた
無期限夏休みを満喫しまくって、飲み会やらイベントやらにいそいそ出かけている毎日ですが、先日はレノボ・ジャパンのご招待で大和研究所の見学に行ってきた。
大和研究所といえば、IBM時代からThinkPadの開発拠点として、ThinkPadユーザーだけでなくリアルモバイラーの聖地とも言われているところ。前職でパソコン関係の記者なんてやっていながら、実は大和研究所を訪れるのは今回が初めてだったりする。大和研究所の噂は、取材なんかで行ったことのある人間からいろいろと聞いていたので、見学をヒジョーに楽しみにしていた。
なんでそんなに楽しみにしていたかっていうと、ThinkPadユーザーだからってことに加えて、ThinkPadの開発風景が他のメーカーとは全然違うものだって聞いていたから。ThinkPadユーザーがThinkPadを選ぶ理由の1つに「頑丈さ」があると思う。そして、開発の過程で「頑丈さ」を実際に検証する様子が、他のメーカーでは絶対に見られないものらしい。
てことで、実際に見てきたわけだけど、聞くところに違わずスゴイことになっていた。
これは環境試験室。要は寒暖に対する動作試験をするところ。見学時は0℃に設定されていて冷蔵庫状態。
環境試験室で一番興味をそそったのが操作パネル。レトロチックな“研究所”スタイルがステキ過ぎる。
こちらはThinkPadのノイズを測定するための音響試験室。いわゆる無響室かと思ったら、床がコンクリなので半無響室だそうで。JEITAの測定基準に従っているとか。
無響室に似てるけど、これはEMI測定のための電波暗室。壁の電波吸収材がやたら高いそうで、部屋全体で3億円だって。この部屋はかなり大きくて、大谷石採石場とかジオサイトを思い出した。
さて、ここまででも十分すぎるほどスゴイ設備なんだけど、実際のところパソコンメーカーとしては製品開発上の必要最低限のものと言える。ThinkPadがThinkPadたるゆえんなのは、この次の「振動・衝撃試験室」にあった。通称「拷問テスト(torture test)」を行なうところ。残念ながらここは写真撮影禁止だった。まあ、ある意味ThinkPad開発の心臓部とも言えるところだから仕方ないんだけど、ちょっと残念。
この部屋で何をやってたかというと、その名の通り振動と衝撃への耐性テスト。その気合いの入り具合は生半可なものじゃなくって「ここまでやるのか!」って、ThinkPadユーザーでも引いてしまうほどのものだった。プレス機みたいなゴッツイ機械にThinkPadを固定して、ガキーンと数百Gの衝撃を加えたりとか、トラックで砂利だらけの田舎道での輸送を想定してブルブルガラガラと振動させたりとか、見ているだけで鳥肌が立ってしまう角から落とす落下試験とか、動作中のThinkPadの端っこをちょっと持ち上げて机にカターンと落っことしたり、問答無用に人の身長くらいから床に落っことしてみたりとか。書いてるだけで、イヤな汗をかくことばかりw
最後に見学したのは「精密測定室」。ここは、ひたすら液晶を開閉したり、液晶パネルをゆがめたり、ひたすら筐体をロボットアームで押し続けたりといった、ひたすら系のテストをするところ。
みんなで「ほおぅー」と感心していたら、終いには担当者が調子に乗って、自分の足で踏んだりして「これでも平気なんですよー」なんてしてみせてくれたり。
ずーーっとこんなことばかりしていると、普段のパソコンの扱いも雑になるのかな、と思ったら「そんなことはないです。自分のパソコンは別です」だってw でも、こういうのを見てしまうと、パソコンってもっと雑に扱ってもいいんだって勘違いしちゃいそうだ。
一通り見学させて貰って感じたのは、ThinkPadは想像以上に過酷な基準の元に作られてるんだなってこと。以前から人づてに聞いて知ってはいたけれど、自分の目で見るとやはり「へぇ〜〜」という感じ。
ノートPCに対して、仕事の道具として何を求めるのか、というのは人それぞれだと思うけど、毎日持ち歩いても、満員電車で押されても、海外に持っていっても、きちんと動いてくれるっていうのは基本中の基本だ。ThinkPadは、その基本を徹底的に押さえているってのがとってもよくわかった。そして、そーいうのをアピールしようとしてるのが、最近やってるベストエンジニアードキャンペーンなんだろう。
てことで、最後にレノボさんにお願い。今使っているX60sは、小さいのに丈夫でパワフルでとても気に入ってるんだけど、これの液晶もSXGAになると、もっと嬉しいんだけどなぁ。あ、あとできれば、TシリーズみたいにRoll Cageの頑丈さも欲しいかも。