■2002-08-01(木) [長年日記]
▼ 正午過ぎに出社。バカみたいな暑さだ。ちょっと移動するだけで、バケツで水をかぶったくらいの汗をかく。いや、マジで。最近はまとまった運動をしなくなったので、かく汗の量も減っていたが、7月以降に筋トレとジョギングを再開したら、汗をかく量が格段に増えてしまった。
夜は夜で、またスコール。東京はホントに熱帯性気候になってしまったのか。雨の中を駅まで駆け足。汗と雨で、ぐしょ濡れになる。
▼ 住基ネットの愚かさかげんは、山根信二氏のコメントに言い尽くされていると思う。それにしても、住基ネットの仕様策定の過程がほとんど報道されていないのは、既存のマスコミの怠慢に他ならない。法案自体に反対を唱えるばかりで、その裏で官僚がどんな動きをしているかまったく伝えていなかったのだから。
正直言えば、僕自身は国民の身分を保障する何らかのシステムを国は持つべきだと思っている。国民総背番号制はその一つの手段ではあるが(ただしかなり出来の悪い)、それにはその手段に対する吟味と議論という大前提があってのこと。この辺は、ちょっとでも暗号関係の素養があれば、見逃せないハズなんだが、きっと旧自治省の官僚はセキュリティの問題以前に、大規模システムの構築がどれほど難しいものなのか想像すらしたことがないのだろう。
時期的に95〜97年はイントラネットの構築が盛んに叫ばれていた頃と一致する。きっとどこかのバカがインターネットの技術を用いれば、大規模ネットワークなんか簡単ですよ、と吹き込んで、今回の件の裏で儲けているはず。あ〜あ、オレも杉並に引っ越そうかな。
このあいだ、再販売しないかな、と書いた直後に夏バージョンの発売が発表。しかし、60種類のデザインてのはどうなんだろう。
▼ 社会思想社の倒産直後に現代教養文庫をいくつかamazon.co.jpに注文いれていたが、やはり今日になって入手不能との連絡が来た。うーん、残念。学生のウチにもっと買っておくべきだった。かろうじてマーチン・ガードナー『奇妙な論理』『奇妙な論理II』は買っていたけど。『トンデモ本の世界』を読んだ直後に、生協の文庫コーナーに並んでいたのを見つけて、反射的に買ったのを覚えている。
▼ Hotwired 「小惑星が地球に衝突?」という報道が増えたわけ
この記事ではあまり触れられていないけれど、技術的な点ではCCDの発達が大きいハズ。
▼ 『ラエル来日特別講演会』 科学が開く地球の未来 〜地球人はクローン技術で創造された〜
うわー、すげー見てぇ(笑)。
▼ 朝日新聞 脳がスポンジ状に 病気の野生シカ食べ、米で3人死亡
アメリカの野生のシカにもプリオンが広まっているのか。
▼ 朝日新聞 ジェラール・ドパルデューがアメリカ映画をばっさり
ドバルデュー氏は現状をあまりご存じないようで。
■2002-08-02(金) [長年日記]
▼ 非常にめんどくさい天気だ。かんべんしてくれ。雷がガンガン落ちて、停電が1回。それ以外にも瞬断が1回あったらしく、自宅サーバが2回も落ちた。やっぱりUPS入れたいなぁ。
▼ なんか仕事がめんどくさいことになってます。
▼ 日記用のメモや、書きかけのメールばかりが溜まっていく。スイマセン。
▼ とか言いながら、ウェブでハマーン様の予約に奔走したり。
▼ ガンダムエース9月号で告知されていた『C.D.A.若き彗星の肖像(1)』の情報がウェブに上がりはじめたのは良いんだけど、キャッチコピーの
ハマーン様と共にあれ!
って、このマンガの主人公はシャアじゃなかったの?
ついでに、Web上で予約を受け付けているところは「ブックサービス(クロネコヤマト)」、「JBOOK(文教堂)」、「eS!Books(セブンイレブン)」、「e-hon(トーハン)」てあたり。 個人的にはbk1かamazon.co.jpで他の書籍と一緒に注文した方が送料もかからないし手間も少なくて楽ちんなんだけど、両者とも予約はまだみたい。となると、eS!Booksで買ってセブンイレブンで受け取るのが、送料もかからないし手間も一番少なくて済むのかな。
▼ 毎日新聞 体内時計の“スイッチ”の仕組み解明 脳、肝臓の遺伝子解析‐‐山之内製薬
なんだか遺伝子型と表現型がごっちゃになった記事だな。
▼ 日本銀行 日本銀行券の改刷について
なんだ、今回も「紙幣」を続けるのか。オーストラリアみたいなポリマー札(プラスチック札)にしようよ。
■2002-08-03(土) [長年日記]
▼ 朝10時くらいまでお仕事。2時まで寝てから、また仕事。なんだか体が熱さに対して麻痺しつつある感じ。
途中でいしかわじゅんを見かけたりしながら、取材に駆け回る。残念ながら大月隆寛は見つけられず。あの風貌でいったいどこに隠れたんだ?
午後9時にタイムアップ。そういえば今日は何も食べていなかったのを思い出して、腹一杯に肉を詰め込む。事務所に戻って写真の整理。途中でいろいろと脱線しまくりで、夜は更けていく。
▼ と言うわけでICカードの本をいろいろと物色。住基ネットもそうなんだけど、ICカードにしてもこのままでは自分たちのプライバシーをゆだねることになるものなのに、それに対する技術的な側面からの考察がほとんど存在しない。だからWindowsで構築することに対して直前になって大騒ぎしたりしている。それ以前に技術情報すらほとんど公開されていないのがかなり問題なんだけど。
■2002-08-07(水) [長年日記]
▼ 夏バテか、夏風邪か、クーラー病で、ここ2〜3日ずっと頭痛が張り付いている。ので、しばらく日記も手抜き。とは言いつつ、映画は見てるし、本も読んでいるんだけど。
▼ 上野松坂屋 ロボットステーション2002
基本的におもちゃ屋のイベントみたいだけど、学天則のレプリカがあるらしい。
▼ Hotwired 『デフコン』のセクシーな女性たち
うーむ、どこにでもこういう対立はあるんだな。
▼ 日経BPスペシャルリポート 普及に拍車が掛かる”行政ICカード”
▼ ZDnet 米上院議員がストックオプション改革法案
▼ ZDnet IETF、特許技術についての方針明確化へ
特に、端末操作を担当する職員の不正に関しては詳細な対応が盛り込まれており、公務員のモラルへの懸念の強さをうかがわせている。
朝日新聞政治部記者のセキュリティに関する知識の程が知れる記事。ソーシャルエンジニアリングなんてことばは知らんのだろう。総務省が言うとおり住基ネットが本当にクローズドなネットワークならば、外部との接点は各役所の端末とそれを操作する職員に限られる。ならば、そこにセキュリティの重点を置くのはごく当たり前のことで、ことさら公務員のモラル低下を当てこする必要はない。だからといって、住基ネットのセキュリティが本当に十分なのかは、また別の問題だが。
▼ 財団法人ニューメディア開発協会 ICカードの普及等によるIT整備都市研究事業
住基ネットのICカードシステムを実証研究しているところ。面白いデータがいっぱい。アプリケーション・プログラム・ローディング機能付きIC カードのセキュリティ要求仕様書には、想定される使用目的として
●住民カードとして、各種の行政サービス(印鑑証明書、等)が受けられるカード
●銀行カードとして、預貯金の預け入れ、引き出し、即時決済の出来るカード
●クレジットカードとして、サービスや買い物の後払い決済の出来るカード
●安全なデータ蓄積媒体としての特徴を生かした電子財布用カード
●高度な医療サービスが可能となる医療情報の格納カード
とか明記されている。そして一部地域では実証実験が始まっている。と言うことは、上記の目的ついてはシステムがほぼ完成しているということ。後はこれに遺伝子情報と思想・宗教を加えれば、その人のパーソナリティがほぼ1枚のカードに収まる。保険業界が喜びそうだ。
介護保険に関する社会保険庁のシステムを開発経験のあるプログラマから見た、行政によるデータベースの運用面での問題点。
■2002-08-08(木) [長年日記]
▼ 頭痛はまだ続いている。フラフラしながら出社するも、ほとんど仕事にならず。早めに帰宅。
▼ 朝日新聞 鉄腕アトムに近づいた? 自習する集積回路を開発 三菱重工
三菱重工のリリース。アトムとか書いてあるけど、AIや人工生命の研究としては特に何かが大きく進んだわけではなく、ニューラルネットワークをワンチップで構成できるようになっただけ。
▼ 集英社 2002年9月新刊コミックス
来月の発売予定から「世紀末リーダー伝たけし!(25)」が削除されている。
う、ジュンク堂に行くのを忘れていた。
▼ Hotwired 「全国民データベース」化が懸念される米国防総省のテロ防止データベース計画
▼ 産経新聞 船の画像データベース整備 不審船対策で海保
そのうち、銃・麻薬の密輸や、水産物の密漁なんかの取り締まりにも使われるのだろうか。
▼ 昔から疑問に思っていたけど、日本の社会システムって自分が誰であるかを証明することにヒドく無頓着な気がする。自己責任が基本の資本主義なのに、その自己を同定する身元保証のシステムが何の意味もないハンコだったり、取ろうと思えば誰でも取れる住民票だったり、ホントかどうかもわからないような名刺1枚だったりする。つまり、簡単に詐称や変更のできる社会的属性でなく、もっと物質的なもので個人を判別しないのか。
■2002-08-11(日) [長年日記]
▼ Robo-oneの決勝を見に行く。前回は結局見に行けなかったので、これがRobo-one初体験。
何とか時間を作って3時間ほど仕事を抜け出して、準決勝第2試合、決勝戦と3位決定戦の3試合のみなんとか見ることができたんだけど、無理して見に行った甲斐が十分あるほど面白かった。何より、きちんと試合になっているのが大きい。
歩いて近づき、腰を落として殴り倒し、かがんで相手のパンチをかわして、懐にもぐり込んで押し倒す。きちんと格闘技になっているのだ。
決勝戦だから特にレベルが高かったというわけでもなく、会場で会った森山さんや某誌のS君に聞いたら、予選からちゃんと試合になっていたそうだ。やっぱり、アマチュアベースのロボットが持つ”熱さ”はスゴイ。
▼ 試合の詳細に関してはPC WatchやZDnetに詳しいし、総括は森山さんの日記にあるので、個人的な感想のみ記しておく。
【ムービー】ro2m1.mpg約3.3MB 51秒320×240 |
前回に関しては人づてにしかきていないので比較はできないけど、今大会を見た限りでは、参加ロボットのレベル、会場の大きさ、全体の進行など、アマチュアベースのイベントとしてはほぼ満足のいく出来。これは、有明方面の祭りと重なったため、観客数が会場にちょうど良くなったこともあるかもしれない(そういう意味では前回の「先行者」は失敗だったのかも)。
で、肝心要のロボットだけど、最初に書いたとおりレベルの高さに驚いた。これまでは個人が制作するロボットと言ったらはっきり言うと、吉村さんのR-Blueがロボットとしては圧倒的に抜きんでていて、他のはかろうじて立っているという感じだったけど、今回はその固定観念を見事に壊してくれた。やっぱりR-Blueの完成度は圧倒的なんだけど、パッと見では差が判らないくらいにはなってきている。
最後にちょっとだけ、見ているだけの人間からの勝手な意見。1試合は1ラウンド1分が5ラウンドの構成になっているのだけど、見ていてちょっと物足りなさも出てくる。上手くロボット同士がかみ合うと倒し倒されが続く激しいラウンドも見られるけど、ヘタをすると1分間ロボット同士が向かい合って歩くだけ、なんてラウンドもある。近づいていって、さあこれから、と言うところで終わってしまうのだ。
てことで、1ラウンドを2分くらいにできなかなと思う。または、レギュレーションをもう少し厳しくするか、クラス分けしてみるのはどうかと思う。今回は、レギュレーションに屈伸を加えたことが、ロボットのレベルが底上げされた一因みたいだけど、歩行速度や運動能力で足切り、またはクラス分けするのもそろそろありかもしれない。
▼ 入場料は僕もとっても良いと思います。というか、行くまではてっきりとっているものだとばかり思ってました。500円くらいなら、大して気にせずに払うんじゃないですか。それか、パンフレットをロボコンマガジンの増刊として作って、それと会わせて600〜1,000円くらいとるというのもアリかも。今回の観客が目算で200人弱だったから、500円×200人=10万円。これだけあれば、会場の使用料くらいは問題なく出るでしょうし。
■2002-08-13(火) [長年日記]
▼ 「STAR WARS Episode2」
なんか楽しかった。壮大なる予告編て感じで、旧三部作に繋がるプロローグとして良くできてる。ちゃんと次ぎ(エピソード3)に期待させるようになっていたし。あちこちで話題のヨーダの勇姿だけど、僕は「おおっ、鹿斗典善!!」と思ってしまった(笑)。
▼ 「ピンポン」
期待しすぎたのが悪かったのかも知れないけど、やっぱり凡作。素直にアニメにしといた方が良かったんじゃないかな。とりあえず褒めるところは、ARATA演じるスマイルが雰囲気出てた。でも、一番なのは三輪明日美のムー子。こいつぁ破壊力抜群。
さて、悪口。窪塚洋介のペコはやりすぎでただの危ないヤツだし、チャイナを演じるサム・リーは役をまったく理解してないし、ドラゴンの中村獅童は運動神経ゼロでとても卓球をしているように見えない。それと曽利文彦は監督としてダメでしょう。1カットの映像センスはあっても、カットとカットを繋いでシーンを作っていくセンスはない。もうちょっと原作をどう解釈して、実写に落とし込むか頭を使おうよ。
宮藤官九朗の脚本は、原作を綺麗にまとめてはいるんだけど、バランスが良すぎて薄い。最初から最後まで一本調子で、映画というよりドラマの脚本。たぶん、この人も原作のファンなんだろうけど、そのせいかいろんなキャラクターに目配りしすぎ。あの尺の短さなら、思い切ってペコかスマイルのどちらかにきっちりフォーカスを絞った方が楽しめたかも。
売りの一つ、卓球の試合のシーンは役者に当て振りさせて玉をCGで描いているんだけど、そんなに手間を掛けるんだったら本物の卓球選手にスタントをやらせた方がナンボかましだったんじゃないのかな。試合のシーンになると、みんな動きが一気に安っぽくなっちゃって見てらんないんだもん。
■2002-08-14(水) [長年日記]
▼ 世間様はお盆休みに入ったようだが、こちとら今週いっぱいは仕事でぃ。にしても暑さは相変わらず。昼過ぎから半日、外で取材をしているあいだに、500mlのペットボトルを4本飲み干す。しかし、その労力に見合う成果はなし。こういう日はとっとと帰るべく、10時に事務所を出る。
▼ 『ICカード革命』石川勝一郎/和泉章/三田啓/渡邊昇治
ICカード革命(石川 勝一郎/三田 啓/和泉 章/渡辺 昇治)
著者たちは全員が経済産業省におけるICカード関連の実務担当者。とりあえず、行政側のICカードに関する方針を再確認する意味で読んでみた。
気がついたことは2点。まず1点目は、経済産業省のICカードにおける狙い。個人でのICカードのメリットは、各種カードが1枚のカードの乗り入れることで持ち歩くカード枚数を減らすことや、免許など各種の身分証明書に替わるものということを、大きくアピールしている。が、もっと突き詰めて考えると、これは公開鍵暗号を内部で処理できるハードウェアを個人が常に持ち歩くようになる、ということなのだ。
今後の社会生活を送る際の個人の身分証明に、もっとシステムレベルで堅いものを導入しようとする流れは、レッシグのCODEを持ち出すまでもなく当たり前のものになりつつあるが、そのソリューションとして公開鍵暗号を処理可能なハードをカードとして携帯する、というのが経済産業省の提示した答えだ。
2点目は、これはICカードに限らないのだけど、経済産業省の人間をはじめとする頭の良い人間が考えている未来の社会像について。第8章でこんなことを書いている。少々長いが引用しておく。
「どこの会社」、「どこの学校」といった「ブランド」が意味を持たない時代になれば、会社や学校が私たちの身分を認め、その証明書を発行するという方法ではなく、所属する会社や学校を私達が選択し、私達が生まれたときに与えられたIDカードの中の「所属」欄のデータを書き換えるという方法があり得るのです。運よくICカードはそういうことを得意としています。主役は会社や学校ではなく、私達なのです。会社や学校などの組織が私達を管理しているのではなく、私達が組織の一員になっているのです。会社や学校から与えられるカードは、終身雇用や学閥などにもつながる妙な帰属意識を煽っていると思うのは考えすぎでしょうか。(P172)
また、
私達は自分の存在が絶対であることを認識し、所属する組織は一時的なものであることを認識すべきなのかもしれません。「流動性の時代」にICカードが登場したことの因果を感じざるに入られません。(P173)
という記述もある。 縦割りの最たる行政の人間がいっても説得力がない、というのは置いといて、いかにも頭の良い連中が考えそうなことだ。唯一、個々人を絶対のものとして、社会的なものを後天的な「属性」として書き換え可能なものと見なす。これは「原子論的な個人」ではないか。
「帰属意識」と「身分証明」は現在の日本では表裏一体だ。だが、組織やコミュニティーを単純に属性と言い切ってしまって良いものなのだろうか。ここでは「会社」と「学校」しか出てこないが、社会的な「属性」はそれだけでない。「家族」だってそうだ。個人個人はそれ自体で単独の存在としてあり、家族関係ですら属性にしか過ぎないと見なす。横の繋がりも、縦の繋がりもぶつ切りにして、バラバラの個人にしてしまおうというのだ。まるで、夫婦別姓の論議のようだ。これは宮崎哲弥が聞いたら怒り狂うのではないか?
では、その「ICカード」と「個人」を結びつけるものはなんだろうか。指紋、声紋、光彩などバイオメトリクスに利用できる要素は各種あるが、「生まれたときから」という条件が付くとどれも難しい。ではどうするか? 究極的にいってしまえば、生誕時から変化しない個人を特定する物理的に唯一のものは遺伝子しかない。つまり、行政の進めるICカード社会は必然的に遺伝情報を必要とすることになるのだ。
▼ 読んだマンガ
- 小畑健/ほったゆみ『ヒカルの碁(18)』(集英社)
この巻はすべて第1部終了後に描かれた番外編を収録。何はともあれ、アスミちゃんが良いねぇ。 - 藤田和日郎『からくりサーカス(24)』(小学館)
「しろがね」たちのもう一つの大きな謎が明らかになる。だが、まだ謎は尽きず、物語は続いていく。 - 内藤泰弘『トライガンマキシマム(7)』(少年画報社)
きっかけは小さなこと。でも、人の中でそれが増幅され、悲劇を生み出す。 - 吉住渉『ウルトラマニアック(1)』(集英社)
このお話も基本的に特殊シチュエーション・ラブコメ。 - ハロルド昨石『BECK(12)』(講談社)
この巻は雌伏の時。次巻に控える大きなカタルシスを待て。 - 西川魯介『ラブ装填☆電動ファイター』(ワニマガジン社)
Robo-oneを見た後にこれを読んだものだから、ヘンなところでリアルに感じてしまったり(笑)。 - いましろたかし『釣れんボーイ』(エンターブレイン)
他人のダメ人間っぷりを見ても、我がふりは治らないということを実感したね(笑)。800ページの大作だけど、一気に読了。
▼ 買ったマンガ
- とりみき『ダイホンヤ』(早川書房)
- もみじ拓『紅陽 もみじ拓傑作選』(講談社)
- 小林よしのり『新・ゴーマニズム宣言(11) テロリアンナイト』(小学館)
- すぎむらしんいち/いとうせいこう『クローン5(1)』(講談社)
- すぎむらしんいち/いとうせいこう『クローン5(2)』(講談社)
- 西原理恵子『サイバラ茸(1)』(講談社)
- 西原理恵子『サイバラ茸(2)』(講談社)
- 駕篭真太郎『大葬儀』(太田出版)
- いましろたかし『初期のいましろたかし』(小学館)
■2002-08-15(木) [長年日記]
▼ デジャビュのように昨日と同じことを繰り返していたような。暑さでボケたか、もともとボケているのか。とりあえず、朝から晩まで外で歩き回っていたが、今日も収穫は少なし。夜中にメールが来て、駆け込みで1件取材。これでかろうじて体裁はととのう。
▼ 『ICカード革命』の反響
昨日の『ICカード革命』への反応が大きかったので、念のため。この本は、読み物としてはつまらないし、資料やデータの大部分もウェブにあるものの上、技術解説も詳しいわけではないので、好奇心だけで買うと後悔します。はっきり言うと、ICカードに関する官僚側の思惑を記した資料としての価値しかありません。
▼ 確かに流動性は必要だと思う。ただし、社会における流動性といったとき、「アイデンティフィケイション(ID)の流動性」と「関係の流動性」のふたつの面があると思う。現在では、このふたつはほぼ重なっているが、ICカードはこれを分断して「関係」の流動性は高めても、「ID」においては逆に著しく減少させる。だから、最終的に残るのは「個人と国家」の関係だけになる可能性がある。良いか悪いかは別にして、これは監視社会を通り越してディストピアそのもの。個人的にはIDの流動性もある程度確保すべきかもしれないと思っている。つまり、夜逃げの可能性くらいは残しておくべきかと。
まぁ、これは最悪の可能性を想定した場合ですが。僕自身も何らかの個人認証システムは必要だと思うけど、そこに委託するデータをどこまで認めるか(遺伝情報まで?)、またそのシステムの網をどこまで広げるか、などなど考えなきゃいけないことはいっぱいある。
▼ そうそう、僕も書きながら「ガタカ」のゲートのシーンとかが頭に浮かんでました。DVDはキャンペーン価格の終了にともない、一時的に出荷が停止されている模様。またしばらくしたら、新価格で出荷されると思います。ちなみにこっちには在庫あり。
▼ ついでに、AV Watch 買っとけDVD第7回:クローン人間が実現しそうな今だから切なく美しい未来「ガタカ」
▼ 赤尾先生のところから2002.8.15 主要新聞社説
■2002-08-19(月) [長年日記]
▼ 昨日(18日)から夏休みに入りました。22日までの予定。なかなかスケジュールが確定しなかったので特に旅行の予定はなし。お金もないので、てけとーに都内をぶらつくか、思いつきで車でどこかに出かける程度のつもり。
▼ 休みに入って最初にしたことは、このページのHTMLの修正。トップページのデザインを変えずにCSSで記述しなおした。結果、Netscapeの4番台では少々素っ気ないことになってしまった。一応、IE5.0以降とNetscape 6.2では正常に見えることを確認したが、それ以外のブラウザで不具合がある場合は旧インデックスでどうぞ。
▼ 住民基本台帳番号と本人を結びつけるのは最終的には遺伝情報しかないわけですけど、その鍵となるデータをどこに格納するのか?ということのつもりでした。
▼ 「自分が自分である根拠」っていうと、えらく哲学的で論理学的な命題に聞こえるけど、オレの中ではわりとシンプルで、純粋に技術的な疑問だったんだよ。子供の頃は遺伝子鑑定なんて一般的ではなかったし。だから、究極的な個人を特定する方法というのが判らなかったけど、今はそれを知っている。
▼ AV Watch SPE、高ビットレートの高画質DVD「SUPERBIT」シリーズ ガタカやデスペラードなど、計6本を11月20日に発売
わざわざビットレートをふやさなくての『ガタカ』は十分綺麗だったのに。単に売れるタイトルを、より高く売るためのシリーズなのか。
▼ メモ
- 国土交通省 平成13年度国土交通白書
第II部、第8章、第2節、(2)ITSに関する技術開発
3)ナンバープレートの電子化 電子ナンバープレート(スマートプレート)とは、ナンバープレートの情報や自動車登録ファイルに記載されている情報などを記録したICチップを、ナンバープレート上に取り付けたものである。個車情報に関する基盤技術として、車両識別への活用など、今後の自動車交通行政に不可欠な新しい社会の共通インフラとしての期待が高まっている。 そのため、12年度から「スマートプレート実用化に向けての検討調査委員会」を組織して各種の実験やセキュリティの確保などのソフト面からの検討を行っており、おおむね15年に特定地域での実用化に向けた試験運用を行うことを目標に研究開発を促進している。
- 国土交通省 中部運輸局 スマートプレート走行実証実験の公開について
- NTT東日本 ユビキタス・ネットワークへの期待と課題
- 情報通信総研 ユビキタス・ネットワークに関するユーザニーズ調査結果について
▼ 読んだマンガ
- 羽海野チカ『ハチミツとクローバー(1)』(集英社)
- 羽海野チカ『ハチミツとクローバー(2)』(集英社)
- 槇村さとる『恋のたまご(1)』(集英社)
- 中平正彦『破壊魔定光(6)』(集英社)
- 樋口橘『MとNの肖像(6)』(白泉社)
- すぎむらしんいち/いとうせいこう『クローン5(1)』(講談社)
- すぎむらしんいち/いとうせいこう『クローン5(2)』(講談社)
- 西原理恵子『サイバラ茸(1)』(講談社)
- 西原理恵子『サイバラ茸(2)』(講談社)
- 駕篭真太郎『大葬儀』(太田出版)
- いましろたかし『初期のいましろたかし』(小学館)
■2002-08-22(木) [長年日記]
▼ あっという間に夏休みも終わり。近場をぶらついただけで、例年通りおっきなイベントはなーんにもなかった。
▼ 読んだ本
- 日経コンピュータ編『システム障害はなぜ起きたか』(日経BP社)
今頃読んでみたり。取材力と出版の早さはさすが日経。ただし、結論にはちょっと異論がある。旧来の経営者に情報システムへの理解の大切さを説くのも大切だが、現場の技術者にそのままで良いと免罪符を与えてしまってるのはダメでしょう。今回の件で現場の人間に同情的になるのは仕方ないが、自分たちの作ったシステムがそのまま新たな権力になり得るんだという自覚を促すべきだ。そして、それは住基ネットにも当てはまる。 - 円川隆夫 編『次世代交通カード革命』(NTT出版)
- 三和総合研究所研究開発第2部『ICカードビジネス最前線』(工業調査会)
ICカード関連の書籍は一通り目を通したけど、どれも似たり寄ったり。著者が銀行系のシンクタンクか、交通インフラの専門家かといった立場によって力の入れている箇所が異なる程度で、ハードウェアとしてのICカードに関しては通り一遍のことしか書いていない。細かいところは直接メーカーに聞くしかないのだろう。
▼ 買った本
- ディーン・ヘイマー/ピーター・コープランド著(吉田利子 訳)『遺伝子があなたをそうさせる』(草思社)
- 尾本恵市 編著『人類の自己家畜化と現代』(人文書院)
- デイヴィッド・ホロビン(金沢泰子 訳)『天才と分裂病の進化論』(新潮社)
- 斎藤貴男『小泉改革と監視社会(岩波ブックレット)』(岩波書店)
■2002-08-25(日) [長年日記]
▼ 始発電車が動くまで事務所に本を読んだりメールを書いたり。帰宅するとまたまたデカい荷物が届いていてビビる。3ヶ月くらい前に注文して、すっかり忘れていた『GUNDAM FIX BOX』とか、1/4 AIBOとか。荷を開くのもそこそこにシャワーを浴びて寝る。
起きてからM原の所に配達。『ガタカ』と『マクロス』を立て続けに見てから、ITとかクローンとかウェーバーとか宮崎哲哉とか。朝の5時過ぎにお開き。帰ったらまた寝る。
▼ インフィニオンのICカード技術を香港特別行政府がスマートIDカード計画に採用
香港というと、ソニーのFELICAをベースにした交通機関向けICカード型プリペイドカード(オクトパスカード)が有名だけど、いつのまにか11歳以上の市民全員に香港行政府発行のICカードの携行を義務づけることになっていた。ちなみに、ICカード所有者の照合には、所有者の指紋の特徴から取り出した相対位置データをICカードに格納することで対処している。一種の大規模な実験だ。
講演者 :ポール・クルーグマン(プリンストン大学経済学部教授) 伊藤元重(東京大学大学院経済学研究科教授) 藤田昌久(京都大学経済研究所教授) 会 場 :品川インターシティホール 東京都港区港南2-15-4 http://www.sisity.co.jp 開催日時 :2002年10月1日[火]15:00--17:30 主 催 :大林都市研究振興財団、日本経済新聞社 協 賛 :大林組 企画・運営監修:TN プローブ 入場料 :2,000円 入場券購入方法 :入場券は、最寄りのチケットぴあのお店、ファミリーマート、 東京都内セブンイレブンにて販売しています。 電話予約受付 03-5237-9999(オペレーター受付) 03-5237-9966(プッシュホンダイヤル) インターネット予約受付 @チケットぴあ http://www.pia.co.jp Pコード:803-079 プログラム詳細 15:20 -- 15:40 藤田昌久「クルーグマン教授と空間経済学の創造」 15:40 -- 16:25 クルーグマン「空間経済学から見る国際地域経済と日本」 16:25 -- 16:40 休憩 16:40 -- 17:30 討議(クルーグマン/伊藤元重/藤田昌久) 詳細お問合せ 財団法人大林都市研究振興財団 〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-1 オーク東京ビルアネックス TEL:03-3505-5034 / FAX:03-3505-5377
■2002-08-27(火) [長年日記]
▼ 暑さで目が覚める。どこかに出かける気も、本を読む気も起きず、フラフラ近所を散歩。空は入道雲がモクモク。ようやく日本の夏らしい感じの空が見れた。
ポツポツ雨が降り出したので、家に戻って読書。『人類の自己家畜化と現代』を読了。うーん、判断に苦しむ本。素直に読むと、理念はともかくとして、書いてあることの7割くらいはどうしようもないことばかりなんだもん。進化論の議論でも、分子生物学でもなく、社会学にしても脇が甘い。強引に分類すると、文化人類学寄りな竹内久美子的オヤジ向けの啓蒙書か(笑)。気が向いたら後で詳しく批判を書くかも。
夜には直ぐ眠くなって、日付が変わるとあっという間に寝てしまう。最近、睡眠時間がガンガン長くなるな。
▼ 国土交通省 関東地方整備局 京浜工事事務所 たま川に現われたアゴヒゲアザラシについて
ページの右下にあるリンクに注目。混乱していますな。
■2002-08-28(水) [長年日記]
▼ 普段通りに家を出たつもりだったが、池袋をぶらついたり、茶水でエチオピアのゴーヤカレーを食べたり、本屋に寄ったりしていると、気がつくと夕方。あわてて事務所に荷物を置くと、駆け足で取材。細々と作業をして、23時に帰宅。
▼ ガ━━(゜Д゜;)━━ン、bk1の書評を書くと300ポイント進呈というのが7月末で終わっていた。
▼ 今日からディーン・ヘイマー/ピーター・コープランド著(吉田利子 訳)『遺伝子があなたをそうさせる』(草思社)を読み始める。おおお、面白いぞ。この手の遺伝と個人のパーソナリティや行動を結びつけて論じる本にはあんまり良いのがなくって、ペラペラと書店でめくっても大抵買わなかったんだけど、この本は当たり。タイトルに「遺伝子が」とあるが、内容の多くはどちらかというと大脳生理学がメイン。脳内での化学物質の振る舞いが人のどんな気質に関わりがあるか紹介し、さらにその化学物質の多少や、感受性(受容体の多少)を決めるのは遺伝子によると明らかにしている。気質、性格、パーソナリティ、人格といった、これら人の非肉体的な面の知識(心理学や行動生物学かな?)があるともっと面白く読めそうだ。
■2002-08-29(木) [長年日記]
▼ やるきがまーったくない。昨日と同じようにあちことをフラフラと。スニーカーのお手入れグッズを買って、仮想CD-ROMソフトを物色してから事務所に出向く。
今週は降って湧いたように俺カレー週間なので、昼飯はスマトラカレーで有名な共栄堂でチキンを食す。なんだかハヤシライスみたいだったな。もう1回くらい喰ってみないとよう判らん。電車の中や飯を食いながら『遺伝子があなたをそうさせる』を読むが一番の楽しみ。
取材は今週の大ネタを押さえて、今週はこれで終いかな。ちょこちょこ作業をしてから日付が変わる直前に事務所を出る。
▼ 日本IBM 音声認識トライアル・サービス
ViaVoice V10のICレコーダーサポート機能とバッチ・エンロール機能を利用し、お客様の音声をファイルから認識し結果をお送りします。購入前にViaVoiceの性能を確認することができます
だそうです。ただしWAVファイル限定なので、対象はほぼWindowsユーザーに限られている。
■2002-08-30(金) [長年日記]
▼ 今日の昼飯は、駿河台のペルソナでチキンカレー。古書センターのボンデイとよく似た味で美味しいけど、1,200円は高い! 欧風カレーはなんでどこもこう高いかな。
事務所に直行して、普段通りの取材の一日。にしても、残暑が厳しいなぁ。
▼ 国土交通省 関東地方整備局 京浜工事事務所 たま川に現われたアゴヒゲアザラシについて
この間載せたときはリンクを入れ忘れていたから再掲。ページの右下にあるリンクに注目。混乱していますな。
■2002-08-31(土) [長年日記]
▼ 昼は末広町のシャリマールでカレーバイキング。これで今週は4日連続昼カレーを達成。一口にカレーといってもいろいろとあって、飽きないもんだ。喰ったのはナン3枚に、キーマ、野菜、チキンのカレーを1杯ずつ。これ950円は安いぞ。ここのナンは冷めても堅くならなくて美味しい。
取材はいつも通り8時間コース。主立ったネタは昨日のうちに出きっていたので、今日は細かく落ち穂広い。夏休み最後の週末だけあって、人出もなかなか。ショップもこの夏一番の売り上げだとか。晩飯は久々に丸五でヒレカツ定食。軽く仮眠してから朝まで作業。
▼ カレーの写真を撮ってみたけど、やっぱりEXILIMではピンボケ。こういうときはCyberShot Uが欲しくなる。新型EXILIMにマクロがつかないのは間違ってるよなぁ。CCD大きくするより先だろ。
▼ Webブラウザーを含むソフト群「Netscape」v7.0の正式版がリリース
ものの試しにインストールしてみたら、かなり使えるようになっていて驚いた。XULツールをインストールしてカスタマイズすると、IEコンポーネントを使用したタブブラウザとほぼ変わらない使い勝手になる。しばらくこっちをメインにしてみよう。